2009-11-14(Sat)
とある科学の超電磁砲 #07 能力とちから
グラビトン事件解決編。

上条さん格好良すぎです。

なかなか血なまぐさい爆破現場を見せて引いた前回、連続グラビトン事件は数を重ねるごとに被害が大きくなっているようでジャッジメントのみなさんは厳戒体制へ。会議室に集うメンツにはもちろん黒子&初春の顔もあり、事件の深刻さを示すようにその表情はいつもの変態&ゆるゆるから一変して固く、冒頭から緊張感を煽ってきました。
そんなジャッジメント会議と交互に映されるカツ上げ現場の様子。不良たちに絡まれているのは前回に引き続いてのメガネくんです。何やら怪しいBGMを乗せてヘッドホンのアップはいかにもこれが事件に関わっている感じ。前回の登場シーンもヘッドホンを印象付ける見せ方だったので否が応でもこれが元凶なのだろうな、と予想させますね。
事件捜査に疲れ気味の黒子を気遣う御坂、調子に乗って抱き付こうとするところを軽くいなすのは手慣れたものです。一方AIMの授業を受ける初春&佐天さん、授業中にも関わらずお買い物の誘いをかける佐天さんは相変わらずマイペースっぽい。しかし初春はこれまた事件捜査が忙しくて誘いを断り、結局佐天さん一人でぶらぶらとお買い物へ。そういや当然ちゃ当然ですが初春は授業中の教室でも頭のお花畑を付けっぱなのですね。中学生の頃には靴下の柄までやかましく言われたものですが…頭に花を咲かせても生活指導が入ったりしないのだろうか(笑
そしてまたしてもカツ上げ現場の中継です。敵も然る者、得てしてイジメっ子連中はこういう「やられ体質」の子を見抜く目が鋭い。メガネくんは家を一歩出たら最後常に絡まれまくり財布を取られまくり…いくら治安が悪いと言っても校内でカツ上げとは、そりゃジャッジメントに対する恨み言の1つも吐きたくなるでしょう。この件に関しては前回の殴られシーンでも同じ事を言っており、メガネくんの歪んだ恨みベクトルがジャッジメントへ一直線であることを印象付けています。それはそうと女の子キャラと野郎モブキャラの作画パワー配分に愕然、もう少しそれっぽく描いてやってもバチは当たるまい。

詰所にて事件捜査に忙しい黒子&初春、事件の特異性に行き詰まる黒子に対し根気勝負で地道に調査を続ける初春の堅実さ。大立ち回りをするばかりがジャッジメントに非ズ、こういう地道な作業をしてくれる事務方も組織には必要なのです。そういう意味で初春もジャッジメントの重要な「ちから」であり、能力レベルの差を恥じることなどまったくない。これもまた今回のサブタイトルである「能力とちから」を表しているのでしょう。
偶然通りがかった御坂とお茶する佐天さん。木漏れ日の落ちる木陰の様子は相変わらず綺麗な絵面で真夏のオアシスを感じさせます。そこで語られる「レベルアッパー」の噂、無能力の自分もレベルアッパーを使ってレベル5の能力を得れば世界が変わるかもしれない。持たない者が持つ者に憧れるのはごく自然なことであり、加えて学園都市では能力レベルが絶対的な価値を持っているため高レベルへの憧れは無理からぬこと。しかし高レベル保持者の苦悩・苦労が身に染みている御坂は佐天さんの言葉に一瞬憂いた笑顔を浮かべ…ここで「そんなことないよ~」などと余計な事を言わずお買い物の話題へ振る御坂の機転もまた人間力なのだろうなあ。佐天さんがカップを飲み干す直前にぐるぐる回して中身を混ぜているアクション、氷をガリガリ食べる所作など相変わらず細かく動かすねえ。
夜の寮にて黒子を買い物に誘うシーン。御坂からの誘いに色めく黒子が佐天さんの名前を聞いて止まる一瞬も芸が細かい。結局仕事優先で誘いを断る黒子、対してしつこく誘わず黒子の判断を尊重する御坂の態度も互いの信頼関係を見せていますね。ベッドに転がる御坂に飛びかかりもせず、いつになくマジメな黒子の作画はご褒美なのか妙に美人でした。

その頃どこぞのアパートにて端末を覗き込むメガネくん。傍らには今回の得物たるカエルのぬいぐるみが置いてありますね。いつものイヤホンを耳に掛けて街行くメガネくんは通りの向こう岸にジャッジメントの腕章、非番なのになぜか腕章をしている初春を見つけてニヤマリ。流れるBGMも怪しさMAXでした。この音がレベルアッパーの正体?
入ったファッションモールにて嬌声を上げつつ店を覗く三人娘。赤い紐パンを初春に勧める佐天さんの嬉しそうな表情ったら。「これなら堂々と見せつけられる」って…返って見せつけられないだろー。かわいいパジャマを見つけた御坂が年下の二人にコテンパンにやられちまうのはお気の毒。負けるな御坂、キミはそのままでいいよ(笑

二人の隙を突いて姿見に駆ける御坂のスピード感あふるる動き、その直後鏡面に現れた上条さんを見てビックリの繋ぎは無駄に凝った見せ方でした(褒め言葉。なぜ上条さんがこんな所に?という疑問は直後に解決、前回の騒動で登場した女の子とのアレコレでファッションモールへお伴仕ったとのことですが…これはさすがに少々強引な展開か? 世間が狭すぎるよ(笑。きちんと例のカバンを提げてくるりとターンは無駄にかわいい。早々に立ち去る上条さん&女の子を見送り、試着を諦めた御坂の表情がこれまたいい味すぎます。このワンカットだけ描き方が違うけれども、このくらいのが好きなのでできれば全編この頭身でお願いしたい。
ここで御坂はお花を摘んだ帰りにメガネくんとすれ違い…手に持つぬいぐるみを見て「ゲコ太!?」と叫び、直後に見間違いと気付いてスルーの一瞬。この「ぬいぐるみを持つ男」の目撃カットをラストの犯人特定へ繋げるのは少々厳しい気がしますが一応きちんと伏線を張っていることに免じてツッコミは無しで。

てなところで重力子の異常を観測、その現場は件のファッションモールでした。緊急連絡を受けて息立つ初春はやや独断先行かもしれませんが、現場にいる以上まず避難誘導に走ったのは的確な判断だったと思います。応援を待つべく状況で無闇に攻撃へ突っ走ってしまうのとは意味が違う。
能力者の御坂に応援を頼み、無能力者の佐天さんへは避難を指示する。これもまた的確な判断なのですが…言われた佐天さんはこの状況で何もできないことにショックを受けてしまう。この一瞬の表情が佐天さんの心境を饒舌に語っていました。見ているこっちも胸が締め付けられるカットです。
黒子は現場急行のテレポートを繰り返しながら初春へ連絡。今まで描写が無かったけれども黒子のテレポートは距離制限があるのだろうか。5話のラストでは結構一気に飛んでいたような気がしますがあれは忘れるべき?(笑。黒子からの連絡を受けてターゲットが自分であることを知らされた初春の唖然とする表情も良かったです。ううむ、今回は私のツボを突くカットが多いなあ。カットごとに顔が変わるのは多人数作監の弊害でしょうけれどどの顔も綺麗に描けているので私的には問題なし。
例の女の子がぬいぐるみを持って現れるのはこれまた世間の狭さに驚きを隠せませんがドキドキの一瞬、次の瞬間ぬいぐるみは見る見る変形し、初春が投げ捨てたぬいぐるみをレールガンでぶっ飛ばそうと飛び出す御坂。しかし手からコインがこぼれ…爆発寸前のぬいぐるみを追うように転がるコインの描写・御坂のアップは緊張の絶頂を見せ、しかし爆発の瞬間そこへ割って入る男の影! いやはや魅せるねえ。

大爆発の後の収拾は御坂の蹴る・撃つ・殴るの三拍子です。あの至近距離でレールガンをぶっ放されたらほとんど即死のような気がしますが…おそらくメガネくんが手にしたスプーン(?)を超々ピンポイントで撃ち抜いたのでしょう。ということにしときます(笑。続くメガネくんへの鉄拳制裁シーンは評価が難しいところ。やられ体質で四六時中標的にされまくっているメガネくんの視点に立つと確かに彼の言い分もわかる。力の無い者はある者にねじ伏せられて生きていくしかない。そんな彼が「力さえあれば…」と考えに至るのも自然な流れでしょう。これはベクトルこそ違えど「能力があったら毎日が変わるかも」と呟いた佐天さんと同じことです。
しかしレベル5の御坂はそこへ至るまでの経験、さらにレベル5を得てからの様々な出来事によって「能力が全てではない」ことを知っているのでしょう。「能力」だろうと「腕力」だろうとそれは個人を形成するパーツに過ぎず、人間の価値・本当の意味での強さ、すなわち「人の持つちから」はそれに左右されない。だからこそ今回のサブタイトルなのかと。
鉄拳制裁を加えた御坂でしたがこれは怒りの殴打ではなく、いつまでも「力が無いこと」を理由にグダグダ言うてるメガネくんへ精神注入する意味での鉄拳だったと思います。だからこそ能力レベルに関係のない「素手」で殴った。その後に殴った手をさするカットも神経が行き届いた細かい演出でした。殴るほうも痛いんですよね。
と綺麗にまとめてみましたが…結局これは強者の理屈なのですよね。能力を持っているからこそ言える理屈。大金持ちセレブが「世の中カネじゃないよね!」と言っているようなものです。大人になるとわかりますが世の中こういう綺麗事だけでは生きていけないのも事実であり、どれほど正義を貫こうと力を持ってる人間には敵わないのが世の常です。というわけで汚れてしまったおっさんにはじつにファンタジーな話ですが、せめてフィクションの世界くらいこんな結論で締めてみるのも一興。
閑話休題。上条さんの活躍シーンをリアルタイムで見せずCパートへ持ってきた構成は見事でした。その後現れた上条さんとの会話シーンは…かっこよすぎるっての! これは惚れるよなあ(笑
粗を探せばいくらでもツッコミ所はありますし、ご都合展開も目に付きましたが、今回は何故か普通に楽しめてしまいました。ツッコミを期待されていた方にはゴメンナサイ。せっかくなので1つツッコんでおくと、ジャッジメントばかり連続で負傷しているのならもっと早く狙いに気付けよ!ってことぐらい? 会議にあれだけいて誰も気付かなかったのか。
最初っから犯人がまる判りで予定調和の如くあっさり解決したグラビトン事件。それはつまり眉毛ちゃんの回と同様にこの話自体が今後の布石・前振りになっているということでしょう。次回のサブタイトルも「幻想御手(レベルアッパー)」と思いっきり直球ストレート、はたしてどういう方向で話を広げていくのかお楽しみです。
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上条さん格好良すぎです。

なかなか血なまぐさい爆破現場を見せて引いた前回、連続グラビトン事件は数を重ねるごとに被害が大きくなっているようでジャッジメントのみなさんは厳戒体制へ。会議室に集うメンツにはもちろん黒子&初春の顔もあり、事件の深刻さを示すようにその表情はいつもの変態&ゆるゆるから一変して固く、冒頭から緊張感を煽ってきました。
そんなジャッジメント会議と交互に映されるカツ上げ現場の様子。不良たちに絡まれているのは前回に引き続いてのメガネくんです。何やら怪しいBGMを乗せてヘッドホンのアップはいかにもこれが事件に関わっている感じ。前回の登場シーンもヘッドホンを印象付ける見せ方だったので否が応でもこれが元凶なのだろうな、と予想させますね。
事件捜査に疲れ気味の黒子を気遣う御坂、調子に乗って抱き付こうとするところを軽くいなすのは手慣れたものです。一方AIMの授業を受ける初春&佐天さん、授業中にも関わらずお買い物の誘いをかける佐天さんは相変わらずマイペースっぽい。しかし初春はこれまた事件捜査が忙しくて誘いを断り、結局佐天さん一人でぶらぶらとお買い物へ。そういや当然ちゃ当然ですが初春は授業中の教室でも頭のお花畑を付けっぱなのですね。中学生の頃には靴下の柄までやかましく言われたものですが…頭に花を咲かせても生活指導が入ったりしないのだろうか(笑
そしてまたしてもカツ上げ現場の中継です。敵も然る者、得てしてイジメっ子連中はこういう「やられ体質」の子を見抜く目が鋭い。メガネくんは家を一歩出たら最後常に絡まれまくり財布を取られまくり…いくら治安が悪いと言っても校内でカツ上げとは、そりゃジャッジメントに対する恨み言の1つも吐きたくなるでしょう。この件に関しては前回の殴られシーンでも同じ事を言っており、メガネくんの歪んだ恨みベクトルがジャッジメントへ一直線であることを印象付けています。それはそうと女の子キャラと野郎モブキャラの作画パワー配分に愕然、もう少しそれっぽく描いてやってもバチは当たるまい。

詰所にて事件捜査に忙しい黒子&初春、事件の特異性に行き詰まる黒子に対し根気勝負で地道に調査を続ける初春の堅実さ。大立ち回りをするばかりがジャッジメントに非ズ、こういう地道な作業をしてくれる事務方も組織には必要なのです。そういう意味で初春もジャッジメントの重要な「ちから」であり、能力レベルの差を恥じることなどまったくない。これもまた今回のサブタイトルである「能力とちから」を表しているのでしょう。
偶然通りがかった御坂とお茶する佐天さん。木漏れ日の落ちる木陰の様子は相変わらず綺麗な絵面で真夏のオアシスを感じさせます。そこで語られる「レベルアッパー」の噂、無能力の自分もレベルアッパーを使ってレベル5の能力を得れば世界が変わるかもしれない。持たない者が持つ者に憧れるのはごく自然なことであり、加えて学園都市では能力レベルが絶対的な価値を持っているため高レベルへの憧れは無理からぬこと。しかし高レベル保持者の苦悩・苦労が身に染みている御坂は佐天さんの言葉に一瞬憂いた笑顔を浮かべ…ここで「そんなことないよ~」などと余計な事を言わずお買い物の話題へ振る御坂の機転もまた人間力なのだろうなあ。佐天さんがカップを飲み干す直前にぐるぐる回して中身を混ぜているアクション、氷をガリガリ食べる所作など相変わらず細かく動かすねえ。
夜の寮にて黒子を買い物に誘うシーン。御坂からの誘いに色めく黒子が佐天さんの名前を聞いて止まる一瞬も芸が細かい。結局仕事優先で誘いを断る黒子、対してしつこく誘わず黒子の判断を尊重する御坂の態度も互いの信頼関係を見せていますね。ベッドに転がる御坂に飛びかかりもせず、いつになくマジメな黒子の作画はご褒美なのか妙に美人でした。

その頃どこぞのアパートにて端末を覗き込むメガネくん。傍らには今回の得物たるカエルのぬいぐるみが置いてありますね。いつものイヤホンを耳に掛けて街行くメガネくんは通りの向こう岸にジャッジメントの腕章、非番なのになぜか腕章をしている初春を見つけてニヤマリ。流れるBGMも怪しさMAXでした。この音がレベルアッパーの正体?
入ったファッションモールにて嬌声を上げつつ店を覗く三人娘。赤い紐パンを初春に勧める佐天さんの嬉しそうな表情ったら。「これなら堂々と見せつけられる」って…返って見せつけられないだろー。かわいいパジャマを見つけた御坂が年下の二人にコテンパンにやられちまうのはお気の毒。負けるな御坂、キミはそのままでいいよ(笑

二人の隙を突いて姿見に駆ける御坂のスピード感あふるる動き、その直後鏡面に現れた上条さんを見てビックリの繋ぎは無駄に凝った見せ方でした(褒め言葉。なぜ上条さんがこんな所に?という疑問は直後に解決、前回の騒動で登場した女の子とのアレコレでファッションモールへお伴仕ったとのことですが…これはさすがに少々強引な展開か? 世間が狭すぎるよ(笑。きちんと例のカバンを提げてくるりとターンは無駄にかわいい。早々に立ち去る上条さん&女の子を見送り、試着を諦めた御坂の表情がこれまたいい味すぎます。このワンカットだけ描き方が違うけれども、このくらいのが好きなのでできれば全編この頭身でお願いしたい。
ここで御坂はお花を摘んだ帰りにメガネくんとすれ違い…手に持つぬいぐるみを見て「ゲコ太!?」と叫び、直後に見間違いと気付いてスルーの一瞬。この「ぬいぐるみを持つ男」の目撃カットをラストの犯人特定へ繋げるのは少々厳しい気がしますが一応きちんと伏線を張っていることに免じてツッコミは無しで。

てなところで重力子の異常を観測、その現場は件のファッションモールでした。緊急連絡を受けて息立つ初春はやや独断先行かもしれませんが、現場にいる以上まず避難誘導に走ったのは的確な判断だったと思います。応援を待つべく状況で無闇に攻撃へ突っ走ってしまうのとは意味が違う。
能力者の御坂に応援を頼み、無能力者の佐天さんへは避難を指示する。これもまた的確な判断なのですが…言われた佐天さんはこの状況で何もできないことにショックを受けてしまう。この一瞬の表情が佐天さんの心境を饒舌に語っていました。見ているこっちも胸が締め付けられるカットです。
黒子は現場急行のテレポートを繰り返しながら初春へ連絡。今まで描写が無かったけれども黒子のテレポートは距離制限があるのだろうか。5話のラストでは結構一気に飛んでいたような気がしますがあれは忘れるべき?(笑。黒子からの連絡を受けてターゲットが自分であることを知らされた初春の唖然とする表情も良かったです。ううむ、今回は私のツボを突くカットが多いなあ。カットごとに顔が変わるのは多人数作監の弊害でしょうけれどどの顔も綺麗に描けているので私的には問題なし。
例の女の子がぬいぐるみを持って現れるのはこれまた世間の狭さに驚きを隠せませんがドキドキの一瞬、次の瞬間ぬいぐるみは見る見る変形し、初春が投げ捨てたぬいぐるみをレールガンでぶっ飛ばそうと飛び出す御坂。しかし手からコインがこぼれ…爆発寸前のぬいぐるみを追うように転がるコインの描写・御坂のアップは緊張の絶頂を見せ、しかし爆発の瞬間そこへ割って入る男の影! いやはや魅せるねえ。

大爆発の後の収拾は御坂の蹴る・撃つ・殴るの三拍子です。あの至近距離でレールガンをぶっ放されたらほとんど即死のような気がしますが…おそらくメガネくんが手にしたスプーン(?)を超々ピンポイントで撃ち抜いたのでしょう。ということにしときます(笑。続くメガネくんへの鉄拳制裁シーンは評価が難しいところ。やられ体質で四六時中標的にされまくっているメガネくんの視点に立つと確かに彼の言い分もわかる。力の無い者はある者にねじ伏せられて生きていくしかない。そんな彼が「力さえあれば…」と考えに至るのも自然な流れでしょう。これはベクトルこそ違えど「能力があったら毎日が変わるかも」と呟いた佐天さんと同じことです。
しかしレベル5の御坂はそこへ至るまでの経験、さらにレベル5を得てからの様々な出来事によって「能力が全てではない」ことを知っているのでしょう。「能力」だろうと「腕力」だろうとそれは個人を形成するパーツに過ぎず、人間の価値・本当の意味での強さ、すなわち「人の持つちから」はそれに左右されない。だからこそ今回のサブタイトルなのかと。
鉄拳制裁を加えた御坂でしたがこれは怒りの殴打ではなく、いつまでも「力が無いこと」を理由にグダグダ言うてるメガネくんへ精神注入する意味での鉄拳だったと思います。だからこそ能力レベルに関係のない「素手」で殴った。その後に殴った手をさするカットも神経が行き届いた細かい演出でした。殴るほうも痛いんですよね。
と綺麗にまとめてみましたが…結局これは強者の理屈なのですよね。能力を持っているからこそ言える理屈。大金持ちセレブが「世の中カネじゃないよね!」と言っているようなものです。大人になるとわかりますが世の中こういう綺麗事だけでは生きていけないのも事実であり、どれほど正義を貫こうと力を持ってる人間には敵わないのが世の常です。というわけで汚れてしまったおっさんにはじつにファンタジーな話ですが、せめてフィクションの世界くらいこんな結論で締めてみるのも一興。
閑話休題。上条さんの活躍シーンをリアルタイムで見せずCパートへ持ってきた構成は見事でした。その後現れた上条さんとの会話シーンは…かっこよすぎるっての! これは惚れるよなあ(笑
粗を探せばいくらでもツッコミ所はありますし、ご都合展開も目に付きましたが、今回は何故か普通に楽しめてしまいました。ツッコミを期待されていた方にはゴメンナサイ。せっかくなので1つツッコんでおくと、ジャッジメントばかり連続で負傷しているのならもっと早く狙いに気付けよ!ってことぐらい? 会議にあれだけいて誰も気付かなかったのか。
最初っから犯人がまる判りで予定調和の如くあっさり解決したグラビトン事件。それはつまり眉毛ちゃんの回と同様にこの話自体が今後の布石・前振りになっているということでしょう。次回のサブタイトルも「幻想御手(レベルアッパー)」と思いっきり直球ストレート、はたしてどういう方向で話を広げていくのかお楽しみです。
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