2009-12-08(Tue)

WHITE ALBUM #23 看病や手料理を期待して、風邪をひきたくなる。後の苦しみは想像もしない

冬弥の元から次々と人がいなくなっていく。

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ラストへ向けて展開も急加速。

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アバンは雪の降る中を受験に向かう少女たちのカットから。この作品にて受験生といえばマナであり、彼女が頑として語らなかった志望校がこれにて明らかになりました。それは「風浜麗女子大学」、冬弥が通う夕凪大学ではなく別の大学を受験するのは単に偏差値や志望学科の関係か、それとも冬弥から離れる決心の表れか。一方の由綺はビーナス音楽祭へのエントリーが決定し、しかし電話を受ける表情に喜びはありません。

受験に挑むマナ、弾き語りの練習に励む由綺。状況も境遇も違いますが二人共自分の道を切り開こうと頑張っていますね。由綺は理奈の落選を聞いて落ち込みを見せるも彼女との約束を思い出して奮起、しっかり前を見据える強い視線は意志を感じさせます。

その理奈はわかっていたとはいえ現実の落選に少々落ち込んでいる様子。あれほど嫌っていたタクシーに乗るようになったのはどういう心境の変化なのだろう。相変わらず干されているのか早くも店じまいの様子、てなわけで冬弥をタクシーから降ろすとどこかへ走り去ってしまいました。

今回はローから煽って斜めの線を多用するアングルや手前にものを映り込ませて奥行き感とスポットライト効果を見せるアングル(いわゆる実相寺アングル)などなど凝ったアングルとカット割りが印象的。と思ったらコンテ・演出が成田歳法氏、この人の映像は近作ではソウルイーターで見せつけられたっけ。相変わらずいい仕事してます。

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理奈の行き先はめのうの詰めるスタジオでした。突然の来訪に相変わらずの態度で突っかかるめのう、しかし理奈が「バレたらどうするの?」と発した途端に壁が崩れたかの如く表情は軟化。彼女が考えている「幕引き」とは前回見せた美咲先輩とのアレコレのことでしょうね。全てを自分からバラしての幕引き、しかし残された影武者ちゃんはどうするどうなる? ってなわけで理奈が何やらお話を。おそらく影武者ちゃんの生き残り法を提案したのでしょうけれども今回はそこまで語らず。はたして影武者ちゃんの運命や如何に?

美咲先輩から電話で呼び出された冬弥は雪の中を二人でお散歩。全てを知った上であれこれ語る美咲先輩に対しわけがわからない冬弥は戸惑うばかり。そりゃそうだろう。並んで歩いていた二人の間にいつの間にかフェンスが立ち、フェンス越しの会話は春原との別れの件、そして先輩が「女」の情念を次第に燃やし始め…「女はもっとひどい、私もそうなる、そうなろうと思っている」のセリフは弥生さんとの写真を見てしまったせい? いくら自分を抑えても、他の男と付き合って誤魔化そうとも、心の奥に燻る思いを止めることはできない。やがて二人を遮るフェンスが途切れると美咲先輩はおもむろに抱き付いてのキス、呆気にとられる冬弥でしたが次のカットでしっかり抱き返しているのはさすが(笑

続いて病院のシーン。ほとんどゴールが近そうな父ちゃんは幼い頃の由綺との会話を思い返していました。何があったのかわかりませんが膝を抱えて泣きじゃくる幼い冬弥、現在の人間発電所っぷりから想像できない内向的な子のようで、しかしこれが乗じて「誰にでもいい顔をする」「ラクな方へ流されまくる」八方美人種蒔き放題男の人格が培われたと言えなくもありません。

これを「彼なりの戦い」と称し、「よくやった」と褒めてやってくれと由綺に頼む父ちゃん。しかし由綺は泣く冬弥を置いて、冬弥を案ずる父ちゃんを置いて走り去ってしまいます。これが以前話した「過去の秘密」なのかな。ともあれ今まで断片的に見せてきた冬弥と父ちゃんの間柄を示す映像の意味がこれにて明らかになりました。いがみ合っていたように見えたけれど父ちゃんは全力で冬弥の味方だったのですね。

助けを求めて伸ばした手はついに力尽き…回想の由綺が走り去る映像に弾き語りを練習する現在の由綺、自分の目標へ一人走る由綺の絵が続くのは…要するにそういうことなのでしょう。

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というわけで父ちゃんさようなら。最後まで冬弥を心配したまま逝ってしまったのは何とも切ないです。努力が実ったマナの涙は父ちゃんの死とのダブルミーニング。マメに見舞いへ出掛けていたマナは合格の報告を涙に乗せて父ちゃんへ送っていたのでしょう。

あれよあれよと斎場のワンカット、煙突から煙を上げる斎場は時代を感じますね。美咲先輩の思いが綴られた手紙は棺に入れられることもなく誰かの手によって破かれ…これは21話で突然現れた謎の和服女?

葬儀後の片付けに慌ただしい冬弥がポロっとこぼす先輩の名。それを聞いた春原はあまりのデリカシーの無さに呆れ、「女神の浪費家への鉄槌」と称して一発お見舞いです。しかし以前はあれほど積極的だった、5年越しの思い人とようやく付き合えたというのに、別れを告げられてあっさり認めて諦めたのだろうか。ねちっこいようでなかなか竹を割ったような性格ですね。やることやったら満足したのだろうか(笑

仏壇も片付けられたのか畳の上に二つ並んだ遺影。嫁の遺影を斎場の女と見比べるとどことなく似ているような?

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冬弥の実家は妙に広いと思ったら下宿のようなものをやっていたのですね。知り合いの子も住んでいたとのことで…めのうはここで暮らしていた時期があったのかも。父ちゃんが冬弥を心配していたように、冬弥もまた父ちゃんを失って涙。亡くしてわかる親の愛情、何だいい話になってきたじゃないか…と思ったのも束の間、ここから何故美咲先輩に迫る? 「今日だけ好きになってほしい」とのセリフは自らを「肉体だけの抜け殻」と言う美咲先輩にとってどれだけ残酷な言葉だろう。それとも一時でも通じ合えば満たされるもの? 女心はようわからん。もしそこまで見据えての「さようなら」だったとしたら冬弥がモテまくるのも納得してしまいそう。

美咲先輩とのさようならの後はマナの合格祝い。ここでのマナのセリフがいちいち核心を突いているようで見ていてココロがざわざわします。「ショッピングとか食事とかいいから」ってのは他に何か…いやそれはダメだ。頼むからマナには手を出さないで。とはいえ大学受験するくらいだから幼く見えてもマナって18歳なのよねえ。

「よくやった、って褒めて」

あの母親ですからマナはきっとろくに褒められたことが無いのでしょう。どれほど頑張って良い結果を出しても褒めてもらえずに育ったであろうマナ、幼少時に褒められることを渇望していた冬弥はマナの気持ちがわかるのでしょう。とはいえ冬弥の欲求とマナのそれはちょっと意味合いが違うような。時間があったらこの辺をちょっと考えてみようか。

バレンタインチョコを受け取った次の瞬間にお返しを渡す冬弥はこれもまた気遣いの細かさを見せていますね。お約束どおり本人が忘れている誕生日のプレゼントをきっちり用意している辺り、こういうマメさがモテモテの秘訣? 冬弥への思いを断ち切り「兄貴でいいや」と嘯くはるか、そこへ現れたのは…春原はとことん代役人生ですね。

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スタジオに詰める理奈&影武者ちゃん。めのうの姿が無いのは「出掛けた」とのこと、いったいどこへ?と思ったらやっぱりか! それはともかくあれほど横柄だった社長が今日は何故か物腰も柔らかく、エコーズ隠し部屋の絵画の話からいきなりお互いの身の上話を始めちゃったり何この展開。23話まで来てようやく明かされたマスターのリスニング環境の秘密、そしてM&Mミュージック命名の秘密。めのうに対する扱いが社長業のそれとは少々外れていると思っていましたが…マナのお姉ちゃんでしたか。そのマナは幼い頃に由綺と仲が良かったらしく、なので由綺に対して特別な感情を窺わせていたのですね。というか世間が狭すぎる。登場人物ほぼ全員が幼なじみなのか(笑

そして突然の悲劇。いやほんと突然すぎるってば。このまま粉々では春原が気の毒すぎ、もちろん直近で「兄貴の代役の代役」を失ってしまったはるかはこれでまた一人になってしまいます。失ったショックでどうかなっちゃわなければよいのですが。

おそらくその事故の連絡を受けたのでしょう、電話で話す冬弥越しにベッドへ横たわるめのうの姿…これは事前なのか事後なのか。蕩けた視線からして事後だとしたら冬弥くんのエクスカリバーは乾く暇もなく波動砲をガトリング状態ですね。若いっていいなあ(違。なんて言ってる場合では。もうこうなったらM3の社長やエコーズのマスターにも荒ぶるタキオン粒子をぶち込んでしまえ!

ラストショットは駅売店に並ぶフライデーのパチモン。あれ? フライデーってまだあったっけ? 休刊したのはフォーカスか。それはともかく表紙を飾る「松山めのう 私は歌っていな(い)」の文字、これがめのうの依頼で美咲先輩が書いた記事なのでしょう。自らの手回しで全て暴露してしまっためのうはビーナスに出られそうもなく、また社長との仲も氷解したことでこれにて理奈の登板が確定?

冬弥の元から女神が次々と離れ、男キャラは次々と消え、ひょっとしたら全員いなくなってしまうかもしれません。誰エンド? なんて悠長な話ではなく誰もいなくなってしまう結末。いつだったか父ちゃんの見舞いシーンにて「俺は一人にはなりたくない」と呟いたのは結末への伏線だったのかも。ストーリーはいよいよクライマックスです。

   

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WHITE ALBUM 第二十三頁『看病や手料理を期待して、風邪をひきたくなる。後の苦しみは想像もしない』

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WHITE ALBUM 第二十三頁「看病や手料理を期待して、風邪をひきたくなる。後の苦しみは想像もしない」  

 いろいろ明かしにかかってきました  もう話も残りあとわずか…、  というところで、答え合わせのようにいろいろ明らかになってきまし...

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No title

自分とは解釈が異なる部分や、気付かなかった部分が多くあって参考になりました。
意見が違っても納得できるものばかりで面白かったです。

>これは21話で突然現れた謎の和服女?

この和服女は冬弥の母ではないかと。
父ちゃんが幻をみている場面だと思っていたのですが。

手紙を破っていたのは美咲さん本人ではないかと思うところです。

>別れを告げられてあっさり認めて諦めたのだろうか

多分吹っ切れていないところがあるから、
はるかとのツーリングになったのだと思いますよ。

>ってのは他に何か…いやそれはダメだ

これは「褒めて」に直結する台詞だと思ったのですが…。
母親が際限なく与えてくる物ではなくて、気持ちが欲しいということなのでは。

No title

>これは21話で突然現れた謎の和服女?

これは美咲さんが単に手紙を棺桶に入れることができずに自分で破り捨てたのではないかと。

和服の女性はやはり遺影に映る女性とは印象が違うようにも思えます。(生みの親が遺影に映る母親とは異なるという可能性がありますが)

れすれす

>uhdさん
お褒めに与り光栄であります。冬弥に対する考察がいまいちクリアできないままダラダラと書いてしまいましたが、uhdさんの記事を読んでかなりすっきりしましたよ。

21話の和服女は私も「亡くした嫁」の幻だと思っていたのですがコメントにて別人と教えられたため、ならば父ちゃんは誰の幻を?→嫁とは別の女? といろいろ邪推しておりました。カット繋ぎや状況から斎場の女は私も最初は美咲さんだと思っていたのですけれど、キャプを取って見比べると美咲さんと髪型が違うように見えて、そして髪型だけ見ると21話の女と遺影の母ちゃんが合致するような気がしてこの記事になったのです。いろいろ考えすぎの感もありますけれどこれはこれで面白いかと。

> これは「褒めて」に直結する台詞だと思ったのですが…。

これはちょっと邪推が過ぎました。もちろん「褒めて」へ繋がるセリフなのですが、何しろ相手が人間ブラックホール(女性限定)の冬弥なのでまさかマナまでも体を差し出す気では…と深読みしてしまった次第です(笑

>aさん

上でも書きましたが私も斎場の女は流れ的にも最初美咲さんだと思っていたのです。しかしキャプを取ってよく見ると別人に見え始めて…考えすぎでしょうかねえ。

> 生みの親が遺影に映る母親とは異なるという可能性がありますが

服装や髪色が違うので判断が難しいのですが髪型が一致しているように見え、またアニメにて髪型ってのはキャラを見分ける記号だったりすることが多いため、しかも21話での状況(和服の女の幻が見えた次カットで晴れ着の由綺が登場)を考えると和服の女は由綺の母親、ひょっとしたら由綺の母親と遺影の女(亡くした嫁)は姉妹なのかもしれません。そして冬弥の生みの親が和服の女だとすると…マナの合格祝いのシーンにて冬弥と由綺のことを「兄妹みたいに似合いすぎている」と言っていたのが気になります。

参考までに各キャラの比較画像を作ってみました。言うまでもありませんが左から美咲さん、斎場の女、和服の女、遺影です。斎場の女は美咲さんと別人に見えません?
http://blog-imgs-24.fc2.com/t/e/l/teleani/whitealbum23_06b.jpg

No title

わざわざ画像まで作っていただいてありがとうございます。
美咲さんが髪型を葬式用にセッティングしているのかと思っていたのですが、前髪がこうも似ているとnobumaさんの見方であっているような気がしてきます!
そうすると、和服の女性は存命中の可能性が大きくなるのか、手紙の経路も気になりますし、ひとりでいろいろ考えてみます。

おそらく親父さんが由綺に投影した女性と遺影に映る冬弥の母親は何かしら関係があるものかと思います。
マナや理奈が「兄妹」を強調するのは意味のないミスリードではないんでしょうね。

No title

話がホントに「あれよあれよと・・・」進みますね。これくらいかっ飛ばしていると、普通なら物足りなさ感が漂いがちですが、私にはかえって「さっぱり感」が心地よいです。
今まで、あまりに濃くて、またあくが強すぎて、予めこのサイトを読んで心の準備をしてからから録画を見ておりました。
しかし、このトラックバックの少なさは何でしょう? かなり面白い作品だと、真剣に思うのですが。

れすれす

>aさん
画像見ていただけましたか。こうやって並べてみると…でしょう?
和服の女はいかにも故人のように浮かび上がってましたがおそらく存命、神崎社長の遠縁(?)、「血は争えない」とか言っていたので元芸能人だったり? あの和服女が由綺の母親・遺影の妹と仮定すれば例の手紙は遺族関係者として受け取って、内容を読めば「娘の彼氏に近寄る女狐」なのですから破って当然かと。あくまで仮定ですけど。しかしここまで来てまだネタを仕込むホワルバってば油断なりませんねえ…。

>T/Aさん
2クールに渡った様々な伏線も集約してきてますし、こんな面白いのにいまいち人気無いのが不思議でありますよ。萌え要素無しの昭和昼メロは現代の若者に受け入れられないのでしょうか(笑

TBが少ないのは記事UPのタイミングもありますし、基本的にうちからはTBを飛ばさないのでこんなものではないかと。
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