2009-12-19(Sat)
とある科学の超電磁砲 #12 AIMバースト
ついに本気の電撃姫。

全力全壊でレベルアッパー編 決着です。

絶叫の木山から発生した胎児のようなもの、レベルアッパーを使ったみなさんのAIM拡散力場集合体(AIMバースト)がギロリと睨んで引いた前回から引き続いての対峙シーン。激しいアクションと緊迫感、それらを盛り上げるド派手なアングル・絶妙なカット割りの連続は何事かと思ったらEDテロップに「コンテ 福田道生」との名を見つけて大納得でした。近作では私の愛する「ヒャッコ」の監督を務めた福田氏の映像は一瞬たりとも目を離せず…何だかこの作品は視覚的快感を自重しないスタッフばかりが続いてえらいことになっていますなあ。極端な煽りと俯瞰の画面構成、アクションのカットチェンジもキレキレ、またキャラの動きだけではなく飛び散る破片や爆煙の描写も凄まじく全編に渡って手に汗握る戦闘シーンを見せてくれました。
御坂が電撃を放つとそのエネルギーを吸収するかのように見る見る成長していく胎児。激しい反撃に身を翻す御坂は「攻撃しなければ追ってこない」ことに気付きます。というかこれは諸々の経緯・胎児の構成要素を考えると「自分を傷付けるものに対する抵抗」「力でねじ伏せようとする者に対する抵抗」のような気がします。レベルアッパーによって昏睡状態だった患者たちは一斉にもがき苦しみ…苦痛を受ければ受けるだけ成長する胎児の苦しみがネットワークを介して逆流しているように見えました。

意識を戻した木山と、背後にそびえ立つ胎児。高架の隙間から覗くアングルは胎児の制御が木山から離れて成長している様子を感じさせ、また高架上から攻撃するアンチスキルとの対峙カットは「圧する者」と同じ高さ(目線)、さらにそれを越える位置まで成長したことを示している?
高架支柱に寄りかかる木山は「起伏のない体」と言いながら結構立派なものをお持ちで…レベルアッパーの副作用にバストアッパー効果でもあったか(笑。既に諦めの表情を見せる木山に対しまっすぐな目で見つめる初春のカットは俯瞰のアングルから、つまりこれはまだ「大人」からの視点ということ。「制御できないAIMバースト」という現実に子供の「諦めないで」の言葉は虚しく響き、すると木山は「一万人の子供たちの思念」について淡々と語ります。胎児の目を通した思念はどれもリアリティのあるコンプレックスで、無能力者として蔑まされる者の鬱積・無力感など辛い内容がこれでもかーこれでもかーの勢いで迫ってきます。

さて暴れる胎児をどうしましょう? てなわけで今後の対応策を迫る二人に対し木山は自分は信用を失っている、何を言っても信じないだろうと自嘲します。しかし初春は手錠を外してくれたこと、さらに子供たちの話を引き合いに出してこれまたまっすぐな目で訴えました。ここでもまだ大人と子供の視点交錯ですが、初春が心から信用していることを感じた木山は対処法を提案、するとそれを受けた次のカットは子供視点からの煽りに変わります。前回見せた木山vs子供たちの視点移動演出と同様、信頼関係が築けたことを表しているのでしょうね。
高架上では相変わらずアンチスキルが交戦中です。メガネ隊員に襲いかかる胎児の触手は…ノーコメントで。触手にモザイクをかけると…さらにノーコメントで。すかさず救出に飛ぶ御坂かっこいいぞ。「一般人」扱いされることに怒ってますが…メガネ隊員はその一般人に助けられるアンチスキルのスキルレスを嘆くがよろしい。しかし前回も書いたけれども、これだけ大騒動になっているのにアンチスキルもジャッジメントも誰一人応援に来ないのはどうしたわけか。冒頭にて御坂を気にかけて飛び出そうとする黒子を制するメガネ先輩の描写がありましたが、ならば無傷のジャッジメントを派遣するとか考えないのだろうか? グラビトン時の会議シーンを見れば他にメンバーがいないわけでもあるまいに。
治療プログラムを持って走る初春の描写は上空からの俯瞰、削り取られた高架にかかる階段を駆け上る姿を豆粒のように映す画面構成は凄い。この1枚で被害の大きさ、対する初春の力の小ささ、しかし小さいながら頑張っている彼女の姿を見せていますね。

対胎児戦第二ラウンド開始。あまりに巨大に成長した胎児に一歩も退かず向かい合う御坂の凛々しさ、それはともかく遠目に見守る木山の敗れたストッキングが妙にフェチ心をくすぐるアングルです。これを映したかったのだろうなあ(笑。電磁力による砂鉄鞭は上条さんとの戦いで見せた戦法、しかし切っても切ってもその端から再生しちゃってラチが開きません。なーんてやってるうちに触手に捕まり、振り回されて原子力実験炉の壁へ激突! 着地の衝撃でビリビリちゃんの足がビリビリで涙目の描写まで細かいなあ。この辺の動画アクションも見応え十分すぎ。
そんなこんなで初春が送信した治療プログラムの放送が始まりました。突然流れ始めた謎の音に頭を傾げる学園都市のみなさん、ファミレスでお茶する4人組がモブとは思えぬきっちり作画で目に付いたけれども今後のエピソードで登場する子たちなのかな。治療プログラムの効果によって落ち着きを取り戻した患者たち、ほんとにこれだけで治っちまうのかい。副作用が云々言うてたのは伏線じゃなかったのか。

ネットワークが遮断されたことで胎児の再生も止まり、こうなれば楽勝!と思いきやしつこく復活してやがります。迫る巨大胎児の様子を影で見せるアングルは静かな迫力、信じられぬものを前にして動揺する御坂の心境が伝わってきますね。その胎児は次々と目を開くとレベルアッパーに落ちてしまった無能力者たちの叫びを発し始め…その事に気付いてあげられなかった自分を責め、しかしこのままにしておくわけにはいかないので結局はレベル5の力でねじ伏せてしまうのだなあ。「ごめんね」と呟きながら全力全壊の御坂はかなり切ないけれど「お話はぶっ飛ばしてからなの」がお約束の白い悪魔をついつい思い出してしまった。
OPテーマがかかってのアクションシーンは鳥肌もの。ここでこの曲はズルいなあ。もちろん映像も迫力十分すぎで、砕け散る破片の描写も綺麗でしたがさすがに動画は無し。この一粒一粒がバラけて動けばゲージツだったけれど帯番組でその動画はメーターが死んでしまうか(笑
「だったらもう一度がんばってみよう?」
がんばってどうにかなることならいざ知らず、超能力者の素質が無くてレベル0の判定を受けた者たちは「がんばり」が足りないのだろうか。みんな怠けていたわけではなく、能力者になりたくて様々な学習・訓練を続けてきたにも関わらず能力が発動しない人たちなのでは? それをさも「がんばりが足りない」と言わんが如くこのセリフは…これもまた上から目線、強者の理屈だなあ。私ができたんだからあなたもできるはず、いやそうではないと気付いたのではないのか? 御坂は何もわかっていない。がんばってがんばって、それでもダメな人に対しての「がんばれ」ほど残酷な言葉は無いよ。
それはともかく止めのコイントスからレールガン発射、コアを射貫いて大爆発の後に飛び散る光は胎児に集まった思念が各々の体へ戻っていくようでした。

壁が壊れた原子力実験炉の修復現場に立つマーブルチョコメガネ女は何者? いかにも今後関わってきそうな雰囲気…また女マッドサイエンティストなのかな。性格キツそうなメガネ美女は嫌いではありませんがたまにはおっさんも出してほしいところ。
戦い済んで一件落着。アンチスキルの護送車に運ばれる木山はすっきりとした表情を見せていましたけれど、結局子供たちを元に戻すこと叶わず逮捕されて終了ってのはちょっと気の毒というか何となく落ち着かない。これまでの経緯からして逮捕後に無事に済むとは思えず、ひょっとして脳髄改造・記憶操作とかされちゃいそうで、すると子供たちはどうなってしまうのやら。
病院にて目覚めた佐天さん。体は元に戻ったけれどせっかく手に入れた能力を失ってしまい少々寂しそうです。しかしこの事件のおかげで「能力よりも大切なもの」に気付き、傷だらけの初春を抱き締めるシーンは定石ながらグッと来ますね。フェンスを通して二人並ぶ構図は第9話で見せたフェンス描写の答えでしょうか、初春と同じ場所に落ち着いた佐天さんはこれからも共に歩んでいくことでしょう。挨拶代わりのスカートめくりも復活して一安心です。できればこっち向きでめくってください(笑
御坂の気持ちはお見通しの黒子。しかし黒子の気持ちはわかってもらえず…デレ顔から豹変してのビリビリ御坂はこちらも相変わらずのようで何より。
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全力全壊でレベルアッパー編 決着です。

絶叫の木山から発生した胎児のようなもの、レベルアッパーを使ったみなさんのAIM拡散力場集合体(AIMバースト)がギロリと睨んで引いた前回から引き続いての対峙シーン。激しいアクションと緊迫感、それらを盛り上げるド派手なアングル・絶妙なカット割りの連続は何事かと思ったらEDテロップに「コンテ 福田道生」との名を見つけて大納得でした。近作では私の愛する「ヒャッコ」の監督を務めた福田氏の映像は一瞬たりとも目を離せず…何だかこの作品は視覚的快感を自重しないスタッフばかりが続いてえらいことになっていますなあ。極端な煽りと俯瞰の画面構成、アクションのカットチェンジもキレキレ、またキャラの動きだけではなく飛び散る破片や爆煙の描写も凄まじく全編に渡って手に汗握る戦闘シーンを見せてくれました。
御坂が電撃を放つとそのエネルギーを吸収するかのように見る見る成長していく胎児。激しい反撃に身を翻す御坂は「攻撃しなければ追ってこない」ことに気付きます。というかこれは諸々の経緯・胎児の構成要素を考えると「自分を傷付けるものに対する抵抗」「力でねじ伏せようとする者に対する抵抗」のような気がします。レベルアッパーによって昏睡状態だった患者たちは一斉にもがき苦しみ…苦痛を受ければ受けるだけ成長する胎児の苦しみがネットワークを介して逆流しているように見えました。

意識を戻した木山と、背後にそびえ立つ胎児。高架の隙間から覗くアングルは胎児の制御が木山から離れて成長している様子を感じさせ、また高架上から攻撃するアンチスキルとの対峙カットは「圧する者」と同じ高さ(目線)、さらにそれを越える位置まで成長したことを示している?
高架支柱に寄りかかる木山は「起伏のない体」と言いながら結構立派なものをお持ちで…レベルアッパーの副作用にバストアッパー効果でもあったか(笑。既に諦めの表情を見せる木山に対しまっすぐな目で見つめる初春のカットは俯瞰のアングルから、つまりこれはまだ「大人」からの視点ということ。「制御できないAIMバースト」という現実に子供の「諦めないで」の言葉は虚しく響き、すると木山は「一万人の子供たちの思念」について淡々と語ります。胎児の目を通した思念はどれもリアリティのあるコンプレックスで、無能力者として蔑まされる者の鬱積・無力感など辛い内容がこれでもかーこれでもかーの勢いで迫ってきます。

さて暴れる胎児をどうしましょう? てなわけで今後の対応策を迫る二人に対し木山は自分は信用を失っている、何を言っても信じないだろうと自嘲します。しかし初春は手錠を外してくれたこと、さらに子供たちの話を引き合いに出してこれまたまっすぐな目で訴えました。ここでもまだ大人と子供の視点交錯ですが、初春が心から信用していることを感じた木山は対処法を提案、するとそれを受けた次のカットは子供視点からの煽りに変わります。前回見せた木山vs子供たちの視点移動演出と同様、信頼関係が築けたことを表しているのでしょうね。
高架上では相変わらずアンチスキルが交戦中です。メガネ隊員に襲いかかる胎児の触手は…ノーコメントで。触手にモザイクをかけると…さらにノーコメントで。すかさず救出に飛ぶ御坂かっこいいぞ。「一般人」扱いされることに怒ってますが…メガネ隊員はその一般人に助けられるアンチスキルのスキルレスを嘆くがよろしい。しかし前回も書いたけれども、これだけ大騒動になっているのにアンチスキルもジャッジメントも誰一人応援に来ないのはどうしたわけか。冒頭にて御坂を気にかけて飛び出そうとする黒子を制するメガネ先輩の描写がありましたが、ならば無傷のジャッジメントを派遣するとか考えないのだろうか? グラビトン時の会議シーンを見れば他にメンバーがいないわけでもあるまいに。
治療プログラムを持って走る初春の描写は上空からの俯瞰、削り取られた高架にかかる階段を駆け上る姿を豆粒のように映す画面構成は凄い。この1枚で被害の大きさ、対する初春の力の小ささ、しかし小さいながら頑張っている彼女の姿を見せていますね。

対胎児戦第二ラウンド開始。あまりに巨大に成長した胎児に一歩も退かず向かい合う御坂の凛々しさ、それはともかく遠目に見守る木山の敗れたストッキングが妙にフェチ心をくすぐるアングルです。これを映したかったのだろうなあ(笑。電磁力による砂鉄鞭は上条さんとの戦いで見せた戦法、しかし切っても切ってもその端から再生しちゃってラチが開きません。なーんてやってるうちに触手に捕まり、振り回されて原子力実験炉の壁へ激突! 着地の衝撃でビリビリちゃんの足がビリビリで涙目の描写まで細かいなあ。この辺の動画アクションも見応え十分すぎ。
そんなこんなで初春が送信した治療プログラムの放送が始まりました。突然流れ始めた謎の音に頭を傾げる学園都市のみなさん、ファミレスでお茶する4人組がモブとは思えぬきっちり作画で目に付いたけれども今後のエピソードで登場する子たちなのかな。治療プログラムの効果によって落ち着きを取り戻した患者たち、ほんとにこれだけで治っちまうのかい。副作用が云々言うてたのは伏線じゃなかったのか。

ネットワークが遮断されたことで胎児の再生も止まり、こうなれば楽勝!と思いきやしつこく復活してやがります。迫る巨大胎児の様子を影で見せるアングルは静かな迫力、信じられぬものを前にして動揺する御坂の心境が伝わってきますね。その胎児は次々と目を開くとレベルアッパーに落ちてしまった無能力者たちの叫びを発し始め…その事に気付いてあげられなかった自分を責め、しかしこのままにしておくわけにはいかないので結局はレベル5の力でねじ伏せてしまうのだなあ。「ごめんね」と呟きながら全力全壊の御坂はかなり切ないけれど「お話はぶっ飛ばしてからなの」がお約束の白い悪魔をついつい思い出してしまった。
OPテーマがかかってのアクションシーンは鳥肌もの。ここでこの曲はズルいなあ。もちろん映像も迫力十分すぎで、砕け散る破片の描写も綺麗でしたがさすがに動画は無し。この一粒一粒がバラけて動けばゲージツだったけれど帯番組でその動画はメーターが死んでしまうか(笑
「だったらもう一度がんばってみよう?」
がんばってどうにかなることならいざ知らず、超能力者の素質が無くてレベル0の判定を受けた者たちは「がんばり」が足りないのだろうか。みんな怠けていたわけではなく、能力者になりたくて様々な学習・訓練を続けてきたにも関わらず能力が発動しない人たちなのでは? それをさも「がんばりが足りない」と言わんが如くこのセリフは…これもまた上から目線、強者の理屈だなあ。私ができたんだからあなたもできるはず、いやそうではないと気付いたのではないのか? 御坂は何もわかっていない。がんばってがんばって、それでもダメな人に対しての「がんばれ」ほど残酷な言葉は無いよ。
それはともかく止めのコイントスからレールガン発射、コアを射貫いて大爆発の後に飛び散る光は胎児に集まった思念が各々の体へ戻っていくようでした。

壁が壊れた原子力実験炉の修復現場に立つマーブルチョコメガネ女は何者? いかにも今後関わってきそうな雰囲気…また女マッドサイエンティストなのかな。性格キツそうなメガネ美女は嫌いではありませんがたまにはおっさんも出してほしいところ。
戦い済んで一件落着。アンチスキルの護送車に運ばれる木山はすっきりとした表情を見せていましたけれど、結局子供たちを元に戻すこと叶わず逮捕されて終了ってのはちょっと気の毒というか何となく落ち着かない。これまでの経緯からして逮捕後に無事に済むとは思えず、ひょっとして脳髄改造・記憶操作とかされちゃいそうで、すると子供たちはどうなってしまうのやら。
病院にて目覚めた佐天さん。体は元に戻ったけれどせっかく手に入れた能力を失ってしまい少々寂しそうです。しかしこの事件のおかげで「能力よりも大切なもの」に気付き、傷だらけの初春を抱き締めるシーンは定石ながらグッと来ますね。フェンスを通して二人並ぶ構図は第9話で見せたフェンス描写の答えでしょうか、初春と同じ場所に落ち着いた佐天さんはこれからも共に歩んでいくことでしょう。挨拶代わりのスカートめくりも復活して一安心です。できればこっち向きでめくってください(笑
御坂の気持ちはお見通しの黒子。しかし黒子の気持ちはわかってもらえず…デレ顔から豹変してのビリビリ御坂はこちらも相変わらずのようで何より。
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