2010-03-02(Tue)
ソ・ラ・ノ・ヲ・ト #09 台風一過・虚像ト実像
憧れのクラウス少佐の正体。

「憧れ」ってメガネはいつもピンポケなのさ。

前回の引きが引きだけに意味深すぎるぱんつの洗濯。高く掲げた向こうの空はすっかり秋の気配です。秋といえば収穫の秋、教会の子供たちが見守るナスも実を付け…ナスが好物のユミナのためにこっそり作ったナス、川沿いの小屋前という立地は今回のサブタイトルからしていかにもな布石でしたね。収穫の秋は砦の畑も同様に訪れ、ピーマンやサツマイモの収穫にキャッキャのみなさん、亡くなった家族のことをしんみりせずに話すクレハはイモ扱いにがっくり。カナタの天然っぷりも相変わらず(笑
豊作に賑う畑の一方でトランペットを吹きまくるリオ。薄暗い部屋で取り憑かれたように一人スイングの傍らに例の鈴&「Akie(?) Arkadia」とサインの入った手紙が見えます。これは以前からペットのケースに入っていたおそらく御母堂からの手紙? それとも大公から直々の「何かの依頼」が書かれたものでしょうか。どちらにしろ前回の電話の件も含め、公女殿下としての働きを…てな内容でありましょう。揺れる心はペットの音にも表れ、耳の良いカナタはその音色からリオの心境を感じ取ったようです。

リオの様子のおかしさをぱんつ姿で力説するカナタ。というかみなさん霰もない下着姿でサービスサービス、テレ東どうした? この力説シーンはカナタがよく動き、続くシーンでも各キャラよく動いて妙にアニメノチカラが入っておりました。数々の戦果を誇る「ミラクルクラウス」ことクラウス少佐、クレハが憧れる少佐の写真は左胸にウルフヘッドのタトゥーが見え…たいていの場合「入墨」は人物特定の鍵、というか別人を見分けるフラグであり、このワンカットにていつものクラウス少佐が「別人」であることを予想させ、それはマンマと正解なのでありました。この辺はもう一ひねり欲しかったかも。いや今どきはこのくらいわかりやすくないと以下略なのかもしれません。
会話中でもお構いなしにスイッチが切れる黒下着のノエル。何と寝付きのいい子でしょう(笑。抱き止めるカナタの指にしゃぶりつき、慌てたカナタが見下ろすアングルは…カナタの胸も順調に成長している?
夜も更けて雨風が強まってきた頃、クラウス少佐がリオ宛の通信文を届けにきました。このタイミングでいかにもな配達に動揺を見せるリオ。一方フィリシアはクラウス少佐を砦へ迎え入れ、対する少佐は「砂漠の狼」と呼ばれて訝しげな反応を見せ…全て知った上でその名を呼ぶフィリシアは良い性格だなあ(笑
さてその頃教会ではにわかに動きが。教会内にて誰かを捜すユミナ、そして窓の外を見つめる子供たち。

台風の荒れ狂う中で姿を消したセイヤの捜索に走るみなさん。激しい濁流と化した川を見て恐怖を感じるカナタ、その瞬間にリオはイリヤ公女のイメージを浮かべ…これは公女殿下の死因と関連しているのか。
サイドカーで捜索に走るクレハ&少佐の前に飛び出した教会の子。慌ててハンドルを切る少佐のリアクションはいかにもビビリであり、砂漠の狼と呼ばれる英雄には程遠い印象ありあり。てなわけでこの辺から地味に「少佐の正体」について描かれていました。芸が細かいねえ。
河原のナス畑でのシーンはクレハの見せ場。自分も孤児だからセイヤの気持ちはわかる、しかし孤児は普通の子よりもしっかりしなければならないことも知っている。言うことを聞かないセイヤに振りかぶった手が抱き締める手に変わる瞬間はクレハの優しさ・思いが痛いほど伝わってきました。今でこそ明るいクレハもいろいろ辛い目に遭ってきたのだろうなあ。
セイヤを無事に救出し、さて残る二人も戻らねば。土砂降りの崖っぷちを前にビビる少佐、理由を付けてクレハを先に行かせるも崖が崩れてさあ大変です。水かさの増す河原に取り残され、しかし追い詰められてなおミラクルクラウスの名を出してめげないクレハ。そんなクレハに真実を言いかけて言えない少佐の虚勢は見ていて切ないけれど、クレハの思いを壊さないためがんばる少佐は本当のヒーローでしたよ。

避難していた小屋が崩れて絶体絶命。ここでクレハは少佐の胸に入れ墨が無いことに気付いてしまうわけですが、それでもクレハにとってのミラクルクラウスは目の前の少佐なのです。
「やっぱりあなたは、私の憧れの人です」
タケミカヅチから発射されたアンカーに捕まって窮地を脱した後に見せた少佐の表情、それに返すクレハの笑顔は極上でありました。まあこの救出劇はツッコミ所が256ヶ所以上ありますけれど、終わり良ければ全て良しの精神でひとつ。タケミカヅチの照準が少佐たちに近すぎ、あのコースで撃ったら濁流云々以前にアンカーの衝撃で死んでしまいそう(笑。この一連シーンにリアリティがあれば感動も256倍になったでしょうにもったいない。
「憧れのかっこいい先輩」を演じ続けるリオに今回の少佐の話は他人事ではありません。端から見えるものと本人が感じているもののギャップ、周囲の期待に応えなければならないキツさはわかりすぎてココロに突き刺さります。私にしても歳食ってるだけで大したこともできないくせについつい調子に乗って(乗せられて)、ますます追い詰められるパターンは何度繰り返したことか。しかし「立場が人を作る」とは良く言ったもので、どうにかこうにかその壁を乗り越えて現在に至るのでした。そう考えれば過剰な期待も悪い事ばかりでは無く、むしろ放置されたら何もしない人なので期待ウエルカムなのかも。と言って墓穴を掘るわけですね(笑
閑話休題。憧れの先輩どころか「公女」という途轍もない大きな虚像を迫られているリオは今回のクラウスを見て何を感じたか。呑気な砦での生活を離れ、誰かのために虚像を演じる覚悟は決まったのか。クラウスを見つめるリオの表情、そして次回のサブタイトルからして終盤へ向けて話が動きそうであります。
少佐の正体を知ってなお写真を抱いて眠るクレハで締め。とはいえ抱いた写真のウルフヘッドに×印が付いているのは実に芸コマです。伝聞でしか知らない父親の姿に重ねていたミラクルクラウスは、今度こそ自分の目で見て感じた「真の憧れの人」となったのでしょう。
そういや今回の演出・コンテは青井小夜氏。クレジットを見ると原画にも入ってますね。私的にとらドラ 第21話、そして青い花 第7話の演出が印象に残っており、特にキャラの感情表現は目を見張るものがあります。メーターさんだけに面白いアングルが多いコンテも魅力、覚えておいて損のない名かと。
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「憧れ」ってメガネはいつもピンポケなのさ。

前回の引きが引きだけに意味深すぎるぱんつの洗濯。高く掲げた向こうの空はすっかり秋の気配です。秋といえば収穫の秋、教会の子供たちが見守るナスも実を付け…ナスが好物のユミナのためにこっそり作ったナス、川沿いの小屋前という立地は今回のサブタイトルからしていかにもな布石でしたね。収穫の秋は砦の畑も同様に訪れ、ピーマンやサツマイモの収穫にキャッキャのみなさん、亡くなった家族のことをしんみりせずに話すクレハはイモ扱いにがっくり。カナタの天然っぷりも相変わらず(笑
豊作に賑う畑の一方でトランペットを吹きまくるリオ。薄暗い部屋で取り憑かれたように一人スイングの傍らに例の鈴&「Akie(?) Arkadia」とサインの入った手紙が見えます。これは以前からペットのケースに入っていたおそらく御母堂からの手紙? それとも大公から直々の「何かの依頼」が書かれたものでしょうか。どちらにしろ前回の電話の件も含め、公女殿下としての働きを…てな内容でありましょう。揺れる心はペットの音にも表れ、耳の良いカナタはその音色からリオの心境を感じ取ったようです。

リオの様子のおかしさをぱんつ姿で力説するカナタ。というかみなさん霰もない下着姿でサービスサービス、テレ東どうした? この力説シーンはカナタがよく動き、続くシーンでも各キャラよく動いて妙にアニメノチカラが入っておりました。数々の戦果を誇る「ミラクルクラウス」ことクラウス少佐、クレハが憧れる少佐の写真は左胸にウルフヘッドのタトゥーが見え…たいていの場合「入墨」は人物特定の鍵、というか別人を見分けるフラグであり、このワンカットにていつものクラウス少佐が「別人」であることを予想させ、それはマンマと正解なのでありました。この辺はもう一ひねり欲しかったかも。いや今どきはこのくらいわかりやすくないと以下略なのかもしれません。
会話中でもお構いなしにスイッチが切れる黒下着のノエル。何と寝付きのいい子でしょう(笑。抱き止めるカナタの指にしゃぶりつき、慌てたカナタが見下ろすアングルは…カナタの胸も順調に成長している?
夜も更けて雨風が強まってきた頃、クラウス少佐がリオ宛の通信文を届けにきました。このタイミングでいかにもな配達に動揺を見せるリオ。一方フィリシアはクラウス少佐を砦へ迎え入れ、対する少佐は「砂漠の狼」と呼ばれて訝しげな反応を見せ…全て知った上でその名を呼ぶフィリシアは良い性格だなあ(笑
さてその頃教会ではにわかに動きが。教会内にて誰かを捜すユミナ、そして窓の外を見つめる子供たち。

台風の荒れ狂う中で姿を消したセイヤの捜索に走るみなさん。激しい濁流と化した川を見て恐怖を感じるカナタ、その瞬間にリオはイリヤ公女のイメージを浮かべ…これは公女殿下の死因と関連しているのか。
サイドカーで捜索に走るクレハ&少佐の前に飛び出した教会の子。慌ててハンドルを切る少佐のリアクションはいかにもビビリであり、砂漠の狼と呼ばれる英雄には程遠い印象ありあり。てなわけでこの辺から地味に「少佐の正体」について描かれていました。芸が細かいねえ。
河原のナス畑でのシーンはクレハの見せ場。自分も孤児だからセイヤの気持ちはわかる、しかし孤児は普通の子よりもしっかりしなければならないことも知っている。言うことを聞かないセイヤに振りかぶった手が抱き締める手に変わる瞬間はクレハの優しさ・思いが痛いほど伝わってきました。今でこそ明るいクレハもいろいろ辛い目に遭ってきたのだろうなあ。
セイヤを無事に救出し、さて残る二人も戻らねば。土砂降りの崖っぷちを前にビビる少佐、理由を付けてクレハを先に行かせるも崖が崩れてさあ大変です。水かさの増す河原に取り残され、しかし追い詰められてなおミラクルクラウスの名を出してめげないクレハ。そんなクレハに真実を言いかけて言えない少佐の虚勢は見ていて切ないけれど、クレハの思いを壊さないためがんばる少佐は本当のヒーローでしたよ。

避難していた小屋が崩れて絶体絶命。ここでクレハは少佐の胸に入れ墨が無いことに気付いてしまうわけですが、それでもクレハにとってのミラクルクラウスは目の前の少佐なのです。
「やっぱりあなたは、私の憧れの人です」
タケミカヅチから発射されたアンカーに捕まって窮地を脱した後に見せた少佐の表情、それに返すクレハの笑顔は極上でありました。まあこの救出劇はツッコミ所が256ヶ所以上ありますけれど、終わり良ければ全て良しの精神でひとつ。タケミカヅチの照準が少佐たちに近すぎ、あのコースで撃ったら濁流云々以前にアンカーの衝撃で死んでしまいそう(笑。この一連シーンにリアリティがあれば感動も256倍になったでしょうにもったいない。
「憧れのかっこいい先輩」を演じ続けるリオに今回の少佐の話は他人事ではありません。端から見えるものと本人が感じているもののギャップ、周囲の期待に応えなければならないキツさはわかりすぎてココロに突き刺さります。私にしても歳食ってるだけで大したこともできないくせについつい調子に乗って(乗せられて)、ますます追い詰められるパターンは何度繰り返したことか。しかし「立場が人を作る」とは良く言ったもので、どうにかこうにかその壁を乗り越えて現在に至るのでした。そう考えれば過剰な期待も悪い事ばかりでは無く、むしろ放置されたら何もしない人なので期待ウエルカムなのかも。と言って墓穴を掘るわけですね(笑
閑話休題。憧れの先輩どころか「公女」という途轍もない大きな虚像を迫られているリオは今回のクラウスを見て何を感じたか。呑気な砦での生活を離れ、誰かのために虚像を演じる覚悟は決まったのか。クラウスを見つめるリオの表情、そして次回のサブタイトルからして終盤へ向けて話が動きそうであります。
少佐の正体を知ってなお写真を抱いて眠るクレハで締め。とはいえ抱いた写真のウルフヘッドに×印が付いているのは実に芸コマです。伝聞でしか知らない父親の姿に重ねていたミラクルクラウスは、今度こそ自分の目で見て感じた「真の憧れの人」となったのでしょう。
そういや今回の演出・コンテは青井小夜氏。クレジットを見ると原画にも入ってますね。私的にとらドラ 第21話、そして青い花 第7話の演出が印象に残っており、特にキャラの感情表現は目を見張るものがあります。メーターさんだけに面白いアングルが多いコンテも魅力、覚えておいて損のない名かと。
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