2010-03-23(Tue)
ソ・ラ・ノ・ヲ・ト #12 蒼穹ニ響ケ
炎の乙女は命を守る。

タケミカヅチも動いての最終回です。

取り乱したノエルと追うアーイシャ、てなところで銃声が響いた後の今回はノエルを庇って(?)撃たれて倒れたアーイシャから。その銃声に反応する電話前のフィリシア以下、意を得たりと電話を蹴り飛ばすホプキンス大佐が引き続き悪役上官モード全開です。ここで大佐が電話を壊したことで「停戦命令」が砦へ伝わらなくなるという展開上の押さえもあり。まあ大佐的にはどっちにしろ停戦命令などアウトオブ眼中だったわけですが。
アーイシャの所在がバレて絶体絶命の状況にてフィリシアが取った行動は大佐に銃を突き付けての人質作戦。大佐の物腰からして今後のアーイシャの扱いを読み取ったフィリシアが何としても助けるべく…銃を構える据わった視線はかかる覚悟を感じさせる表情でした。しかし無茶しよるなあ。軍規的に敵兵隠匿だけでも結構な罪でしょうに、ここまでやってしまったらもはや言い逃れのしようも無し。これは結果的に上層の意に背いて強引な開戦を目指していた大佐を止めた形になったためフィリシアの行動は罪に問われなかった(それどころかラストでは昇格していた)ようですが、この時点ではまさに額面どおり「命懸け」の行動です。
有り余る戦闘意欲、そしてノエルの古傷抉りを高らかに語る大佐は地下の蒸留所送りへ。こんな手練れをクレハ一人に任せて大丈夫なのか?…と思いきや当然大丈夫ではありませんでした。靴に仕込んだ刃物で縄を解いてサッサと逃亡、そりゃ始終見張ってなきゃ逃げられるって(笑
見張り台のクレハと交代のカナタ。不意に肩に触れられてビビりまくりのクレハは思いっきり無理しているの丸わかりです。かわいいなあもう。てな所へ微かに聞こえた停戦信号、カナタはピッチが良いだけではなくて聴力も優れていたのか。今までさんざ張られてきた「カナタは耳が良い」という伏線はここに集約された? 音階を判別する能力と小さい音を拾える能力は別モノだと思うけれど細かい事はスルースルー。その停戦信号を鳴らした喇叭手の姿は映されませんでしたが…件の公女殿下は既にこのタイミングでノーマンズランドへ向かっていたのでしょうね。ラストでサムアップのクラウスも同行してますし。

大佐に逃げられて状況は急転直下、しかし砦のみなさんは諦めません。白旗代わりのワンピースを靡かせたナオミさんは「停戦信号」の件を大佐に伝え、町のみなさんも加わってカナタの耳を信じろと訴えますが、しかしもちろん大佐は聞く耳持たず。どうでもいいけど人質から脱した大佐が砦の制圧命令を出さない不思議。反乱分子&敵兵が砦内にいることがわかっているのにスルースルー、いくら「10分後に攻撃開始」と言ってもスルーできる事項では無いでしょうに。開戦のスイッチが欲しかった大佐がいきなり「攻撃開始」を決断しちゃうのも唐突でした。
「そう思うなら、奪った以上の命を救ってください」
見えない死神に関して今だ自分を責め続けるノエルにかけられたユミナの言葉。起こしてしまった事実は消せない、取り返しが付かない。けれど「人を救う」ことでノエルの罪は少しでも赦され、またノエル自身を救うことにもなる。どんな宗教かわからんけれどシスターであるユミナの言葉は慈愛に満ちていました。さらにアーイシャも傷の痛みに耐えながらノエルを赦す言葉を掛け…涙するノエルを見つめる優しい笑顔が何と美しい絵面か。
一人軍規に忠実だったクレハもまた苦しんでいました。リオが去った後の隊を守るため必死に自分を奮い立てて小姑モードを演じていたのです。しかしみなさんの滅私な決意を知るとついに壁は崩れ、涙を流しながら心情を吐露するシーンは見ているこっちも泣けてきます。キタエリの芝居も真に迫っていました。アタシ完璧! そんなクレハを優しく抱き締めるフィリシアのお母さんっぷりも泣けますなあ。

「行くわよ、私のあなたたち!」
そしてついにタケミカヅチ起動です。関節ロックを外して沈み込む動作とかじつにリアル、さすがのオーバーテクノロジーは重力制御まで有り? 以前見せたシミュレーション映像に比べて緊張感∞増しの実戦初陣、カナタの突撃喇叭も高らかに主砲をぶっ放してタケミカヅチは姿を現し、アーイシャを助けるため、そして戦争を止めるためにカサカサと走り始めます。
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炎の乙女は命を守る。
ずっと昔、世界が今みたいになる前の事。
世界に罰を与えるために神様が使わされた天使は、
傷付き、石の果ての町で翼を休めていました。
そんな天使を助けたのは果ての町の砦に住んでいた、乙女たちでした。
自分たちを滅ぼすはずの者、けれど、傷付いたその姿を哀れに思った乙女たちは、
巨大な蜘蛛の力を借りて、天使を谷の底に匿います。
乙女たちはあふれ出る血を抑えるために、順番に天使の首を抱き続けました。
そして、天使はそのお礼に、乙女に金の角笛を授けます。
けれど、やがて町の人々は天使の存在に気付き、谷底に火を放ちます。
乙女たちは炎に巻かれ、天使は首を落とされて、息絶えてしまいました。
そんな時、ついに天使の軍勢が現れ、町の空を覆い尽くします。
けれど、どうしたことでしょう。
突然、高らかな空の音が響くと、天使たちが去って行きます。
人々の命を救ったのは、最後の乙女が自分の命と引き替えに鳴らした、
金の角笛の音だったのでした。
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ユミナの語りによるローマ版の伝承を背景に描かれるタケミカヅチの戦い。切なげなBGMも相まって、伝承の内容は乙女たちの死亡フラグが全開すぎ、聞いてて切なくて仕方ありませんでした。しかしタケミカヅチの戦闘力は比較にならないほど無双であり、集中砲火を浴びようが装甲はビクともせず、過剰すぎる運動性能と主砲の破壊力により順調に逃亡しております。まあ日本の戦車で言えば試製一号vs90式戦車くらい技術力が違う感じなのでこれほどの性能差も無理は無し。
戦闘に向けて進軍を始めた最前線のヘルベチア軍を飛び越えて前へ出たタケミカヅチ。高みに昇ってハッチを開くとカナタが現れて停戦信号を鳴らします。しかし戦う気まんまんの軍を止めること叶わず、しかし正規の通信兵が停戦信号を鳴らしても止まらないのでは軍規も何も以下略。まあここで止まってしまったらお話にならないのですけれど。

そして大方の予想どおりカナタはアメイジング・グレイスを響かせ、リン・ミンメイの歌声よろしくヘイタイサンたちはその音色に聞き惚れて一斉に動きが止まりました。イリヤからリオへ伝わり、さらに国を超えてアーイシャの所へまで響いたアメイジング・グレイスはカナタによって進軍中の軍隊へ響いてその足を止めた。そういや今回何度か映された先輩兵たちもカナタの姿に気付いた様子。まさか最終回で再登場するとは。
ヘイタイサンの動きが止まるも指揮官はやる気まんまん。そんなところへ現れた赤い彗星、通常の三倍の威厳を持つ公女殿下の登場です。これも言ってしまえば想定内すぎる展開でしたが…もう少し早く着けば、と悔やんでいたイリヤ公女の思いを晴らすが如く開戦直前に間に合わせたリオの気迫あふるる勅命伝達シーンは背景の青空も効いてじつに晴れやか。間に合ってよかったねえ。ヘイタイサンだって本音では戦争なんてしたくない。戦わずして済んだことを喜び、軍装を高く放り投げるカットもこれまた晴れやかでした。

エンドロールが流れながらの後日談。季節は変わって桜の頃に1121小隊へ新人さんが赴任してくるようです。クラウスさんのサイドカーの音が聞こえるとほどなく到着、橋を渡ってくる件の新兵の姿に気付いて目を丸くするクレハ&カナタ、ここでフィリシアの表情を見せない演出は返って「それが誰なのか」を判らせてしまっているような。まあそこまで考えなくとも新兵の正体は丸わかり(笑
というわけで戦争を止めた褒美に原隊復帰のリオ、もちろんいつもどおりに笑顔で迎えるフィリシア母さん。飛びつきたいのを我慢しているクレハ&カナタをちゃっかり出し抜いたノエルの表情も良し良し。結局みなさんで飛びついて仲良しゆるゆる1121小隊は元通りの大団円、最後までガチンコの王道定石でキレイにまとめた最終回でした。
ラスト2話にて力技で締めに入った感はアリアリでしたが、そこまで丁寧に張られた伏線を上手くまとめた最終回は、ほぼ全てに渡って予想通りの展開だったけれど意外と好印象だったような。終わりが見えている世界にて必死に生きようとするキャラたちの「ココロ」が伝わってきたと申しましょうか。伏線っぽく散りばめられた様々なネタを放り投げての結末は少々消化不良っぽいけれど吉野氏いつもの事なので今さら(略
というわけでアニメノチカラ第1弾「ソラノヲト」はこれにておしまい。お疲れさまでした。
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タケミカヅチも動いての最終回です。

取り乱したノエルと追うアーイシャ、てなところで銃声が響いた後の今回はノエルを庇って(?)撃たれて倒れたアーイシャから。その銃声に反応する電話前のフィリシア以下、意を得たりと電話を蹴り飛ばすホプキンス大佐が引き続き悪役上官モード全開です。ここで大佐が電話を壊したことで「停戦命令」が砦へ伝わらなくなるという展開上の押さえもあり。まあ大佐的にはどっちにしろ停戦命令などアウトオブ眼中だったわけですが。
アーイシャの所在がバレて絶体絶命の状況にてフィリシアが取った行動は大佐に銃を突き付けての人質作戦。大佐の物腰からして今後のアーイシャの扱いを読み取ったフィリシアが何としても助けるべく…銃を構える据わった視線はかかる覚悟を感じさせる表情でした。しかし無茶しよるなあ。軍規的に敵兵隠匿だけでも結構な罪でしょうに、ここまでやってしまったらもはや言い逃れのしようも無し。これは結果的に上層の意に背いて強引な開戦を目指していた大佐を止めた形になったためフィリシアの行動は罪に問われなかった(それどころかラストでは昇格していた)ようですが、この時点ではまさに額面どおり「命懸け」の行動です。
有り余る戦闘意欲、そしてノエルの古傷抉りを高らかに語る大佐は地下の蒸留所送りへ。こんな手練れをクレハ一人に任せて大丈夫なのか?…と思いきや当然大丈夫ではありませんでした。靴に仕込んだ刃物で縄を解いてサッサと逃亡、そりゃ始終見張ってなきゃ逃げられるって(笑
見張り台のクレハと交代のカナタ。不意に肩に触れられてビビりまくりのクレハは思いっきり無理しているの丸わかりです。かわいいなあもう。てな所へ微かに聞こえた停戦信号、カナタはピッチが良いだけではなくて聴力も優れていたのか。今までさんざ張られてきた「カナタは耳が良い」という伏線はここに集約された? 音階を判別する能力と小さい音を拾える能力は別モノだと思うけれど細かい事はスルースルー。その停戦信号を鳴らした喇叭手の姿は映されませんでしたが…件の公女殿下は既にこのタイミングでノーマンズランドへ向かっていたのでしょうね。ラストでサムアップのクラウスも同行してますし。

大佐に逃げられて状況は急転直下、しかし砦のみなさんは諦めません。白旗代わりのワンピースを靡かせたナオミさんは「停戦信号」の件を大佐に伝え、町のみなさんも加わってカナタの耳を信じろと訴えますが、しかしもちろん大佐は聞く耳持たず。どうでもいいけど人質から脱した大佐が砦の制圧命令を出さない不思議。反乱分子&敵兵が砦内にいることがわかっているのにスルースルー、いくら「10分後に攻撃開始」と言ってもスルーできる事項では無いでしょうに。開戦のスイッチが欲しかった大佐がいきなり「攻撃開始」を決断しちゃうのも唐突でした。
「そう思うなら、奪った以上の命を救ってください」
見えない死神に関して今だ自分を責め続けるノエルにかけられたユミナの言葉。起こしてしまった事実は消せない、取り返しが付かない。けれど「人を救う」ことでノエルの罪は少しでも赦され、またノエル自身を救うことにもなる。どんな宗教かわからんけれどシスターであるユミナの言葉は慈愛に満ちていました。さらにアーイシャも傷の痛みに耐えながらノエルを赦す言葉を掛け…涙するノエルを見つめる優しい笑顔が何と美しい絵面か。
一人軍規に忠実だったクレハもまた苦しんでいました。リオが去った後の隊を守るため必死に自分を奮い立てて小姑モードを演じていたのです。しかしみなさんの滅私な決意を知るとついに壁は崩れ、涙を流しながら心情を吐露するシーンは見ているこっちも泣けてきます。キタエリの芝居も真に迫っていました。アタシ完璧! そんなクレハを優しく抱き締めるフィリシアのお母さんっぷりも泣けますなあ。

「行くわよ、私のあなたたち!」
そしてついにタケミカヅチ起動です。関節ロックを外して沈み込む動作とかじつにリアル、さすがのオーバーテクノロジーは重力制御まで有り? 以前見せたシミュレーション映像に比べて緊張感∞増しの実戦初陣、カナタの突撃喇叭も高らかに主砲をぶっ放してタケミカヅチは姿を現し、アーイシャを助けるため、そして戦争を止めるためにカサカサと走り始めます。
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炎の乙女は命を守る。
ずっと昔、世界が今みたいになる前の事。
世界に罰を与えるために神様が使わされた天使は、
傷付き、石の果ての町で翼を休めていました。
そんな天使を助けたのは果ての町の砦に住んでいた、乙女たちでした。
自分たちを滅ぼすはずの者、けれど、傷付いたその姿を哀れに思った乙女たちは、
巨大な蜘蛛の力を借りて、天使を谷の底に匿います。
乙女たちはあふれ出る血を抑えるために、順番に天使の首を抱き続けました。
そして、天使はそのお礼に、乙女に金の角笛を授けます。
けれど、やがて町の人々は天使の存在に気付き、谷底に火を放ちます。
乙女たちは炎に巻かれ、天使は首を落とされて、息絶えてしまいました。
そんな時、ついに天使の軍勢が現れ、町の空を覆い尽くします。
けれど、どうしたことでしょう。
突然、高らかな空の音が響くと、天使たちが去って行きます。
人々の命を救ったのは、最後の乙女が自分の命と引き替えに鳴らした、
金の角笛の音だったのでした。
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ユミナの語りによるローマ版の伝承を背景に描かれるタケミカヅチの戦い。切なげなBGMも相まって、伝承の内容は乙女たちの死亡フラグが全開すぎ、聞いてて切なくて仕方ありませんでした。しかしタケミカヅチの戦闘力は比較にならないほど無双であり、集中砲火を浴びようが装甲はビクともせず、過剰すぎる運動性能と主砲の破壊力により順調に逃亡しております。まあ日本の戦車で言えば試製一号vs90式戦車くらい技術力が違う感じなのでこれほどの性能差も無理は無し。
戦闘に向けて進軍を始めた最前線のヘルベチア軍を飛び越えて前へ出たタケミカヅチ。高みに昇ってハッチを開くとカナタが現れて停戦信号を鳴らします。しかし戦う気まんまんの軍を止めること叶わず、しかし正規の通信兵が停戦信号を鳴らしても止まらないのでは軍規も何も以下略。まあここで止まってしまったらお話にならないのですけれど。

そして大方の予想どおりカナタはアメイジング・グレイスを響かせ、リン・ミンメイの歌声よろしくヘイタイサンたちはその音色に聞き惚れて一斉に動きが止まりました。イリヤからリオへ伝わり、さらに国を超えてアーイシャの所へまで響いたアメイジング・グレイスはカナタによって進軍中の軍隊へ響いてその足を止めた。そういや今回何度か映された先輩兵たちもカナタの姿に気付いた様子。まさか最終回で再登場するとは。
ヘイタイサンの動きが止まるも指揮官はやる気まんまん。そんなところへ現れた赤い彗星、通常の三倍の威厳を持つ公女殿下の登場です。これも言ってしまえば想定内すぎる展開でしたが…もう少し早く着けば、と悔やんでいたイリヤ公女の思いを晴らすが如く開戦直前に間に合わせたリオの気迫あふるる勅命伝達シーンは背景の青空も効いてじつに晴れやか。間に合ってよかったねえ。ヘイタイサンだって本音では戦争なんてしたくない。戦わずして済んだことを喜び、軍装を高く放り投げるカットもこれまた晴れやかでした。

エンドロールが流れながらの後日談。季節は変わって桜の頃に1121小隊へ新人さんが赴任してくるようです。クラウスさんのサイドカーの音が聞こえるとほどなく到着、橋を渡ってくる件の新兵の姿に気付いて目を丸くするクレハ&カナタ、ここでフィリシアの表情を見せない演出は返って「それが誰なのか」を判らせてしまっているような。まあそこまで考えなくとも新兵の正体は丸わかり(笑
というわけで戦争を止めた褒美に原隊復帰のリオ、もちろんいつもどおりに笑顔で迎えるフィリシア母さん。飛びつきたいのを我慢しているクレハ&カナタをちゃっかり出し抜いたノエルの表情も良し良し。結局みなさんで飛びついて仲良しゆるゆる1121小隊は元通りの大団円、最後までガチンコの王道定石でキレイにまとめた最終回でした。
ラスト2話にて力技で締めに入った感はアリアリでしたが、そこまで丁寧に張られた伏線を上手くまとめた最終回は、ほぼ全てに渡って予想通りの展開だったけれど意外と好印象だったような。終わりが見えている世界にて必死に生きようとするキャラたちの「ココロ」が伝わってきたと申しましょうか。伏線っぽく散りばめられた様々なネタを放り投げての結末は少々消化不良っぽいけれど吉野氏いつもの事なので今さら(略
というわけでアニメノチカラ第1弾「ソラノヲト」はこれにておしまい。お疲れさまでした。
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