2010-04-05(Mon)

ハートキャッチプリキュア! #09 スカウトされたお父さん! お花屋さんをやめちゃいます!?

スカウトに賛成できないつぼみの思い。

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そして今回のデザトリアンは大友の心の花を抉りまくりでした。

2010年4月期新番アニメが続々と始まっているというのにレビュー欲をかき立てる作品が見あたらず…ハートキャッチが面白すぎて新番がことごとく霞んでしまっているせいかもしれない。1月期新番に続きキャッチーなはずの1話レビューすらやる気が起きない不作っぷりはどうしたことか。ともあれハートキャッチの1話を越える作品はなかなか出て来ないだろうなあ。

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というわけで始まったハトキャ第9話。つぼみ父を「教授」と呼ぶ小畑くんは新入社員にも関わらずヘッドハントの話をつぼみ父へ持ちかけ…父の経歴をしてえりか様が「すごーい」の声に鼻高々だったつぼみの顔色が変わってOPへ。どうやらつぼみはこの話に賛成できない模様です。

つぼみ両親の馴れ初め話は何ともファンタジーな少女まんがチック。パンをくわえた転校生がカドでぶつかって云々のレベルです(笑。出会って即ヒトメボレから1ヶ月で結婚と生々しさを省いた「運命の出会い」的展開はじつに少女向けな感じ。そんな話を聞いたえりか様はヘッドハントの件を合わせて「花咲家はいい感じ」とニコニコ…一方のつぼみはまたしても微妙な表情を見せています。その後自宅での表情変化も見どころ、沈んだ時に見せるメガネ顔が「断った」と聞いて晴れる流れはつぼみの心理変化がわかりやすく描かれていました。

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「トンカツの好きな犬と天ぷらが好きな猫が将棋で対決しました。勝ったのはどっちだ?」

えりか様のなぞなぞ難しい…直後の小畑くんとのご対面シーンによって答えが明らかにされぬまま話が進んでしまう憎すぎるシナリオはどうしたものか(笑。解答プリーズ! 女子中学生2名の前に立ちはだかる大男の図は事情を知らなければこのご時世だと犯罪チックでありますね。というか身長比からして小畑くんって2mくらいあるんじゃ?

ヘッドハントの説得に対し言葉を詰まらせるつぼみ、この時のえりか様の表情から間に割って入る動きはじつに空気を読んだもの。止まらない列車状態だった初期のえりか様と同一人物とは思えない気遣いを見せていますね。なるほどきちんと成長しているのだなあ。

砂風呂エステのコブラさん。下っ端戦闘員のスナッキーはコブラさんの扱い方がわかっているようで何とも微笑ましい(笑。コブラさんってばすっかりギャグキャラですね。

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河岸を変えた植物園にて植物オタクの会話に笑顔のつぼみ、しかし本題に入るとつぼみはまた黙ってしまう。そんな様子を見たえりか様の「ちゃんと言ってくれないとわからないよ?」は覗き込む表情含めて本日のハートキャッチポイントでした。理由を言わず黙ってしまうつぼみを優しく諭すえりか様、あなたはいつのまにこんな天使に!

そしておばあちゃん登場。軽く挨拶の後に語られた花咲家の過去、幼いつぼみが笑顔で手を振る回想シーンは涙無しでは見られません。なるほどこういう理由でつぼみはおばあちゃん子だったのか。

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出張で忙しい両親から一人残されたつぼみ、縁側に座るつぼみの成長は長い年月を感じさせます。端に置かれた一人遊びの小道具が「おえかき帳」→「ぬいぐるみ」→「本」と成長に合わせて変化しているのも芸が細かいなあ。後姿から窺える「寂しさ」は胸を締め付けられそう、しかしカットごとに入る両親への見送りでは相変わらず「良い子の笑顔」を見せていました。

ところが軒先のツバメの親子を見た瞬間…仲睦まじいツバメの親子と自らの境遇を比べてしまったのでしょう。両親を心配させまいと気丈な笑顔を見せていたつぼみの「寂しさ」が溢れ、ちょうど忘れ物を取りに戻った両親はようやくつぼみの気持ちに気付いたのでした。この一連の演出は私のツボを突きまくり、何故か画面が見えないぞ。また第1話冒頭にてつぼみがテンション高く喜んでいた理由もわかりました。ああもう泣けまくり。

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えりか様の後押しによってはっきりと自分の気持ちを伝えられたつぼみ。あの気弱なつぼみが大人相手に物申せるようになったのはこれまた成長の証しですね。つぼみとえりか様でお互いの足りない部分を補い合っている様子が見えるのはじつによろしい。

さて断られた小畑くんは心の花がしょんぼり…まさか彼が今回のターゲットになるとは。駆け付けた二人の前でキメポーズのコブラさんはスナッキーにノせられたまんま、対するプリキュアの冷めた表情がナントモ(笑

ここからの戦闘シーンは大胆なアングルと強烈なパースで大迫力のアクションを見せてくれます。ローアングルの着地からジャンプして鉄塔で壁蹴り! なんという熱すぎる動きか。

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夕陽の中の戦闘シーンはとてもじゃないけど少女向けアニメのそれとは思えず。ケータイ型デザトリアンが叫ぶ小畑くんの悩みは世のお父さん及び大友たちの心の花を直撃したことでしょう。希望する研究職へ就くこと叶わず営業の身、まあ転属希望を出しただけでクビになる会社もそう無さそうですが…このご時世なので「やる気なし」と判断されて首切り候補に挙げられてしまうかも。そんな身の上にて「研究者」をヘッドハントしなければならず、しかも断られてしまった。そりゃ心の花もしおれるってものです。

俯いたブロッサム越しの鉄塔コブラさん、いいアングルだなあ。さらに二人での同時攻撃スタート時に見せるピント送り演出もかっこよろしい。二人ダッシュから振り向きざまに流れる髪の描写、揃って向き直るとすかさず「ダブルシュート!」と新技を見せてくれました。なんかもう一分の隙も無いアクション演出です。

今回のトドメは二人揃ってのフォルテッシモ。ハートキャッチ! どかーん! で終われば最高にかっこいい技なんだけどねえ。は~~~! くるくるくる!

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事後の顛末を話すつぼみの顔を覗き込むえりか様がかわいすぎ。盗み聞きを咎める母ちゃんのメガネもいい味でした(笑。てな所へ登場した幼女はヒマワリをご所望…ヒマワリの成長話は小畑くんに重なり、さらに夏頃登場するらしい第三のプリキュアに対する暗喩にもなっているようです。もういろいろ仕込みすぎ。これで第三のプリキュア登場時にこの幼女が絡んでくる展開だったらシャッポを脱ぐしかありません。

研究職への挑戦を宣言する小畑くんに笑顔が戻って一件落着。ヘッドハント話が完全クリアとなり両親の元へ満面の笑顔で飛びつくつぼみ、その様子を見守る周囲のみなさんも揃って優しい笑顔でした。笑顔がいいねー♪

今回は小島氏作監の効果か各キャラが非常にかわいく描かれ、また細かい表情変化も絶妙に表現されて満足度が高かったです。さらに回想シーンの静かな演出とアクションのダイナミックな演出を兼ねた境氏の演出参加もポイントが高かった。いつもは説教臭さを感じざるを得ない成田脚本も今回はいいバランスでした。つぼみの性格の基礎を作った幼少時のエピソードも明かされ、キャラに対する理解度も今回急上昇したような。地味ながら良回、こんなの見てしまったら4月新番アニメがますます霞んでしまうよ。

   

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No title

プリキュアはシリーズを増すごとに洗練されて行きますね
キャラの心情を疎かにせず無駄を一切省き、見ていて胸が空く本当に気持ち良い構成です
他アニメでは到達しえない
ハートフルアニメの完成形にプリキュアは到達してしまうかもしれませんね
設定の違いこそあれ、シリーズに似通った話も有ったとは思いますが
それは「水戸黄門的お約束」で逆にブラッシュアップし易い好材料
だから、ここまで濃密に無駄なくキレの良いお話に専念出来るんだと思います。

ラーメン屋さんが秘伝のスープを継ぎ足し継ぎ足し
味を極める作業に私は被ってしまいますw

れすれす

今までの積み重ねもあるでしょうし、また今シリーズはスタッフ的にハートキャッチどころか「ハートを抉って鷲掴み」のストーリーを得意とする面々、さらに演出家もベテラン揃い。スタート前に不安を隠せなかったキャラデザ・キャラ設定も始まってみればかわいさMAXで文句の付け所が無く、生き生きと喜怒哀楽を見せてくれるキャラにハートキャッチされまくり。レビュー本文でも何度か書いていますが、ハトキャが面白すぎる故に他の作品が霞んでしまって困っている次第です。

今までのプリキュアシリーズは悪く言えば「ハズレ回」がちらほら見えましたが、ハートキャッチに関しては9話まで進んでも全くハズレ無し。毎回全力で面白いパーフェクトさに少々驚いています。話の作りがシンプルなので感情移入の間口が広く、絶妙すぎる演出も相まって毎回タオルを離せません(笑

しかし毎週毎週登場人物の「心の暗部」を曝け出しては浄化する、という流れを1年続けるのはいろんな意味でしんどいかも。かわいさに振ったデザインに反しこのハトキャはシリーズ中で最も大友向けの作品かもしれませんね。
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