2010-10-28(Thu)
神のみぞ知るセカイ #04 今そこにある聖戦
「私の絵、見てくれる?」

バグに閉じ込められたヒロインを救え!

今回こそはスルーしようと思ったのに結局レビューを書かずにいられない今作の巧妙な作りにやられっぱなしの私。というわけでかんたんレビューを。
アバンで見せた少々切ない映像は新ヒロイン?と思わせて実はゲームキャラ、その後このゲームと格闘するオタメガの描写が続き…徹夜や朝食中のゲームはともかく、授業を無視してゲームに没頭している様子は見ていて痛々しく、いくら「落とし神」と崇められようがそれはマズいだろ?と少々呆れて見ておりました。そんなのいいからさっさと新ヒロインをやれと思いながら。

ループから抜け出せない致命的なバグを抱えたこのゲーム。システムの問題でクリアできないのではどうにもなりますまい。しかし全ての選択肢を潰さない限りクリアの可能性はある、無駄に豊富な学食メニューに頭をフットーさせながらもオタメガは根気よく潰していく。その経緯で描かれるバグ描写は妙なリアルさ、立ち絵が上下反転していたり音声がバグっていたりキャラ絵が入れ替わっていたり…このテのゲームが好きな方なら該当するゲームがちらほら浮かぶのではあるまいか(笑
黙々と選択肢を潰すオタメガに付き合いきれず疲れ果てるエルシィ。何故オタメガはここまで執着できるのか? 単なるゲーム好きという範疇を超えた執着は落とし神のプライド、「クリアできないこと」を許せないという単純な拘りかと思いきや。
その後も延々とプレイを続けるオタメガ。学食での会話からメニューを選ぶとミニゲームへ飛ばされるループを延々と繰り返し、飛ばされる端から何度も何度もメニューを選び続ける。オタメガがゲーム内に入り込んでのループシーンは絵面的にコミカルな描写が繰り返されていましたが、ループの度にヒロインが語りかける「私、お昼はいつもうどんなの。あなたは何を食べるの?」のセリフを見続けるうちに「ループから抜けられない恐怖」に襲われ…淡々と繰り返される問いかけ、表情も口調も毎回全く同じ調子で繰り返される問いかけは見ていて笑えなくなってしまった。この「ループの絶望」は8週間続いた例のアレを見た時の感覚に近いかもしれない。

「じゃあ、空の絵は誰が見てやるんだよ」
オタメガがこれほどまでクリアに執着するのは落とし神のプライドなどという安いものではなく「ヒロインを救うため」でした。バグのせいで誰にも絵を見てもらえないヒロインの絵を見てあげたい。制作メーカーは潰れ、酷いバグにプレイする人もいなくなったこのゲームにて彼女を救えるのは自分しかいない。常人からしたら不可解な使命感なのですが、ゲーム内ヒロインの人格を真剣に尊重し助けようと全力を賭けるオタメガの考えは確かに「神」と呼ばれるべきものかもしれません。そう思わせる勢いがありました。
再びゲーム内へ入り込んでの映像は短い尺ながらヒロインとの日々を丁寧に描いたもの。ヒロインの好感度が順調に上がっていく様子は甘酸っぱくも切ない。こんな日々を過ごしたのにまたループしてしまうのか?
しかし神は降臨しました。ループを抜けてヒロインの絵を見てあげることが出来た末にエンディングへゴー! オタメガの「救ってあげたい」という思いが鉄壁ループを越えさせた瞬間、ヒロインの「ありがとう」のセリフと笑顔は不覚にも感動してしまった。その直後の画面は文字化けだらけのバグ仕様というオチまで付いて。
「駆け魂を追い出せるのも、こういう神様だからかもしれない」
本編にて今まで二人のヒロインを攻略してきたオタメガを見ていると「生身の人間(二次元だけど)をギャルゲー扱いして攻略したらポイか。まさにゲーム感覚か」てな印象で、攻略を楽しむだけの冷たさのようなものを感じていましたが、じつはそんな事は無かったのですね。彼は対象ヒロインに対して心底「救いたい」と願い、策を立て、全てを賭けてそれを実行する。攻略中のヒロインへの思いは本物だったのです。だからこそ「心の隙間」を抱えたヒロインの心を開いて救うことができる。この「思い」こそが神たる所以でした。
記事冒頭でもちょっと書いたけれど今回は単に「バグゲームに執着するゲームオタクのドタバタ話」かと思ってレビューはスルーする気まんまんで、しかしこのラストから再びアバンを見直したら胸が熱くなってしまい、その勢いでこんな記事を書いている次第であります。残念ながら私はオタクゲーマーではないけれどオタメガの心意気には感ずるものがありましたよ。
今回の脚本は元Leafのシナリオライターである高橋龍也氏、この内容のエピソードを描くにはまさに打って付けの人材でありましょう。原作ネタなのかも知らないけれどバグ描写のリアリティったら結構シャレになってませんでしたし(笑。と同時に高橋氏に脚本を任せた高柳監督と構成倉田氏の人選センスを評価すべきか。

エンドカード(予告バック)は何とちゃんさま(みつみ美里氏)! どんだけご褒美なのか。PFPに映っているキャラはどこかで見たことあるような(笑
↓記事が役立ったら一票どうぞ。

バグに閉じ込められたヒロインを救え!

今回こそはスルーしようと思ったのに結局レビューを書かずにいられない今作の巧妙な作りにやられっぱなしの私。というわけでかんたんレビューを。
アバンで見せた少々切ない映像は新ヒロイン?と思わせて実はゲームキャラ、その後このゲームと格闘するオタメガの描写が続き…徹夜や朝食中のゲームはともかく、授業を無視してゲームに没頭している様子は見ていて痛々しく、いくら「落とし神」と崇められようがそれはマズいだろ?と少々呆れて見ておりました。そんなのいいからさっさと新ヒロインをやれと思いながら。

ループから抜け出せない致命的なバグを抱えたこのゲーム。システムの問題でクリアできないのではどうにもなりますまい。しかし全ての選択肢を潰さない限りクリアの可能性はある、無駄に豊富な学食メニューに頭をフットーさせながらもオタメガは根気よく潰していく。その経緯で描かれるバグ描写は妙なリアルさ、立ち絵が上下反転していたり音声がバグっていたりキャラ絵が入れ替わっていたり…このテのゲームが好きな方なら該当するゲームがちらほら浮かぶのではあるまいか(笑
黙々と選択肢を潰すオタメガに付き合いきれず疲れ果てるエルシィ。何故オタメガはここまで執着できるのか? 単なるゲーム好きという範疇を超えた執着は落とし神のプライド、「クリアできないこと」を許せないという単純な拘りかと思いきや。
その後も延々とプレイを続けるオタメガ。学食での会話からメニューを選ぶとミニゲームへ飛ばされるループを延々と繰り返し、飛ばされる端から何度も何度もメニューを選び続ける。オタメガがゲーム内に入り込んでのループシーンは絵面的にコミカルな描写が繰り返されていましたが、ループの度にヒロインが語りかける「私、お昼はいつもうどんなの。あなたは何を食べるの?」のセリフを見続けるうちに「ループから抜けられない恐怖」に襲われ…淡々と繰り返される問いかけ、表情も口調も毎回全く同じ調子で繰り返される問いかけは見ていて笑えなくなってしまった。この「ループの絶望」は8週間続いた例のアレを見た時の感覚に近いかもしれない。

「じゃあ、空の絵は誰が見てやるんだよ」
オタメガがこれほどまでクリアに執着するのは落とし神のプライドなどという安いものではなく「ヒロインを救うため」でした。バグのせいで誰にも絵を見てもらえないヒロインの絵を見てあげたい。制作メーカーは潰れ、酷いバグにプレイする人もいなくなったこのゲームにて彼女を救えるのは自分しかいない。常人からしたら不可解な使命感なのですが、ゲーム内ヒロインの人格を真剣に尊重し助けようと全力を賭けるオタメガの考えは確かに「神」と呼ばれるべきものかもしれません。そう思わせる勢いがありました。
再びゲーム内へ入り込んでの映像は短い尺ながらヒロインとの日々を丁寧に描いたもの。ヒロインの好感度が順調に上がっていく様子は甘酸っぱくも切ない。こんな日々を過ごしたのにまたループしてしまうのか?
しかし神は降臨しました。ループを抜けてヒロインの絵を見てあげることが出来た末にエンディングへゴー! オタメガの「救ってあげたい」という思いが鉄壁ループを越えさせた瞬間、ヒロインの「ありがとう」のセリフと笑顔は不覚にも感動してしまった。その直後の画面は文字化けだらけのバグ仕様というオチまで付いて。
「駆け魂を追い出せるのも、こういう神様だからかもしれない」
本編にて今まで二人のヒロインを攻略してきたオタメガを見ていると「生身の人間(二次元だけど)をギャルゲー扱いして攻略したらポイか。まさにゲーム感覚か」てな印象で、攻略を楽しむだけの冷たさのようなものを感じていましたが、じつはそんな事は無かったのですね。彼は対象ヒロインに対して心底「救いたい」と願い、策を立て、全てを賭けてそれを実行する。攻略中のヒロインへの思いは本物だったのです。だからこそ「心の隙間」を抱えたヒロインの心を開いて救うことができる。この「思い」こそが神たる所以でした。
記事冒頭でもちょっと書いたけれど今回は単に「バグゲームに執着するゲームオタクのドタバタ話」かと思ってレビューはスルーする気まんまんで、しかしこのラストから再びアバンを見直したら胸が熱くなってしまい、その勢いでこんな記事を書いている次第であります。残念ながら私はオタクゲーマーではないけれどオタメガの心意気には感ずるものがありましたよ。
今回の脚本は元Leafのシナリオライターである高橋龍也氏、この内容のエピソードを描くにはまさに打って付けの人材でありましょう。原作ネタなのかも知らないけれどバグ描写のリアリティったら結構シャレになってませんでしたし(笑。と同時に高橋氏に脚本を任せた高柳監督と構成倉田氏の人選センスを評価すべきか。

エンドカード(予告バック)は何とちゃんさま(みつみ美里氏)! どんだけご褒美なのか。PFPに映っているキャラはどこかで見たことあるような(笑
- 関連記事
スポンサーサイト
↓記事が役立ったら一票どうぞ。
