2010-10-31(Sun)

それでも町は廻っている #04 呪いの方程式

右脳vs左脳。

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杉田節全開の森秋先生回でした。

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Aパートは原作第9話「恋の方程式」から。朝のテレビ占いはザッピングして良い占いで止める、同じ星座の星占いでテレビ局ごとに結果が違うってだけで占いの信憑性が眉唾である証拠なのですが、どうせ当たらないなら悪い結果はスルーし良い結果だけ聞いて気分良く過ごしたいもの。歩鳥が毎朝やっていることは一見無意味なようで、じつは占いの有効活用としてあながち間違いでは無いような。まあチャンネルを変えるごとに結果が下がってズンドコで打ち止める日もあるみたいですが。

そういや13星座なんてのもあったねえ。誕生日は変わらないのに星座の分け方によって性格が180度変わっちゃったりテキトウなものです。そんな歩鳥の占い話に総ツッコミのタッツン&メイド長は息が合ってきましたね(笑。磨いているグラスにタッツンの顔を映す絵面、グラス越しの歩鳥と重なって面白い効果を生んでいます。今作はどうしてもシーサイド店内の会話シーンが多いため、単調な画面を避けるべくカメラが寄ったり引いたり歪ませたり、こんな風にいろんなものに映り込ませたり凝ったカメラワークを駆使しまくり。初回はこの演出をやりすぎて少々クドく感じましたが放映4話を数えてだいぶ馴染んできた?

森秋先生に想いを馳せる歩鳥にツーショットデートのチャンス! 補習にお集まりの総勢約1名と教師1名、椅子を上げられた机が左右へ片付けられた教室に唯一つのかぶりつき席に座る歩鳥のカットは二人きりであることを強調しています。デート気分の歩鳥に対し森秋先生は天敵二号を前に胃を痛め…歩鳥を見下ろし引きつった顔はそこらのアニメ作品で見られない表情、森秋先生の胃痛が伝わってくる絶妙な表情です。

初代天敵の回想は森秋少年の人生を決定付けたもの。割り算の「余り」について給食の柿の種を例える教え方、子供相手に屁理屈でごまかすのは教師としての資質を問われるような気がしますが小中学校の女性教師ってこういう人多いような。小学校というコミュニティでは教師の言う事は絶対で、教室の流れが教師側に変わると森秋少年の疑問は納得いかぬままウヤムヤのうちに握りつぶされ…この悔しさをスイッチに天性の理数脳が活性化しまくって超堅物の現在に至るのね。

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あらしやま
ほとり

黒板に平仮名で書かれた歩鳥の名前の前に森秋先生が立って今の心境を表現。そしてこの辺りから森秋先生の胃痛は激しさを増し、歪む表情も激しさを増していきます。バツだらけの歩鳥の答案と苦悶の表情で格闘する森秋先生、ようやくマルを付けられたのは「0点」のマル…そもそも基本的に同問題の試験と追試で両方0点を取るってのは数式を理解する気がゼロのため、いやそれ以前に数学的な思考回路が欠落しているのでしょうね。ひょっとしたら数学に対する学習障害があるのかも。そこまで深刻な話じゃないか。

歩鳥は「数学なんて探偵に必要無い」と言ってましたが、断片的に提示される犯行の痕跡・証拠・人間関係などを論理的に組み立て犯人という「解」を求める作業は数学的と言えなくもありません。ただしたいていの場合それら条件プラス「直感」という理屈で計れない能力が必要だったり、また前話のサイコロ絵で見せた柔軟な視点・発想力も探偵には不可欠でしょう。歩鳥の場合そちらの能力は申し分無いのですが、それらを組み合わせた論理的アウトプットが苦手っぽいので探偵としては大成しないような。

(男+女)÷モラル=0

教師と教え子のモラルの前に恋愛は成立せず。左辺が「0」になるためには「(男+女)」がゼロでなければならず、要するにそういうことなのでしょうけれど、ならばなぜモラルで「割る」のか。「(男+女)」がゼロならばモラルを「掛け」てもゼロなのにあえて「割る」のはなぜなのか。また「(男+女)」との表記は教師と教え子に関わらない全ての男女が含まれそうで、断りの返事として厳密に書くのなら「(男性教師+女生徒)÷モラル=0」のほうが妥当な感じ。などなど原作でこのエピソードを読んだときも頭を悩ませたっけ。

天敵二号との対戦に疲れ果てた森秋先生の帰宅車内。バックミラーに浮かぶ歩鳥と初代天敵の姿…オカルトなんてありません! 理屈を屁理屈で覆す天敵二人は似たような顔になるのかも(笑

モラル<愛

歩鳥が突き付けたシンプルな式はあっさりバツが付けられてオチ。

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森秋先生にコクった女子生徒が数年後に教師となり…という噂の彼女はこの女教師? なーんて例の女子生徒とは目尻のホクロが違うので少なくともこの女教師は別人っぽい。おそらくそれは根も葉もない噂、ある意味「都市伝説」のような話を真顔で語る紺先輩の滑稽さは学生らしいっちゃ学生らしいです。どんな学校にもある「学校の噂」なんてこんなものでしょう。とはいえ例の女教師が森秋先生にホの字なのは事実みたい(笑

というわけでAパート同様「占い」ネタからスタートです。コーヒー占いで気を引こうとする女教師でしたが森秋先生は完全スルー、モラルを理由に女子生徒を振ったけれどそれ以前に女性に興味が無さそうな超堅物でありました。あはは。椅子が壊れた同僚教師、この椅子があんな悲劇を生むとは。

歩鳥の両親が登場したけれど声のみで顔は見せず。これは原作でも同様の扱いで、コミックス7巻の時点で未だ両親の顔は公開されていません(よね?)。たまの出番では必ず巧妙に隠されているのです。いったいこれにどんな意図があるのやら…巻またぎの伏線をいろいろ張りまくってる石黒氏なので何か理由があるのかもですが、意味ありげでじつは意味無し、単に面白がっているだけのような気もします(笑

「もし心労で抜け始めたらお前のせいだ」

洗顔騒ぎで遅刻の歩鳥は全く悪びれず育毛剤の話、それでも歯をギリギリで感情を抑える森秋先生の心労お察しいたします。毎日これでは胃も痛くなるだろうなあ。このシーンに限らないけれど今回は杉田さんの独壇場でしたね。怒りに震えながらも冷静に努める様子、理屈っぽい独白も面白かったです。このキャラ性は杉田さんが他でやってるいろんなキャラと被りそうですが、今こういう役をやらせたら杉田さん以上の声優はいない感じ。

前回登場したばかりの紺先輩といきなり仲良くなっている不思議。原作だと今話は第3巻収録なのでここまでの間に紺先輩といろいろあってのこの関係なのですが、アニメだとやや唐突感がありますね。

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森秋先生が思いついた歩鳥への逆襲。ところが壊れた椅子に歩鳥を座らせてギャフンと言わせるつもりが「どの椅子が壊れているのかわからない」状態に…感情より理屈を優先するいつもの先生ならもっと周到な計画の元で実行されるだろうけれど、珍しく「思い付き」で行動するとろくな事にならないのです。天使と悪魔が舞い降りた後、結局運を天に任せて勝負に出た森秋先生。この時点で負けているような気がするのは私だけか(笑

この辺のシーンは杉田さんによる心中独白と凝りすぎカメラワークで引っ張ります。椅子を前にいろいろ考えているだけのシーンもシャフト独特の大仰な演出によって退屈させませんね。そういやアニメでは歩鳥の足を強調するアングルが多用されますが、正直言ってこの演出は少々外している感じ。おそらくこんな風に「歩鳥の女の部分」をやたら見せてくるのがアニメでの違和感、原作との空気感の差を感じる元凶なのかも。萌え要素がほとんど皆無の原作からアニメ視聴者のニーズに合わせるための策かもですが私的には滑っている感じがしてなりません。フェチアングルは歓迎だけれど歩鳥には不要。

教師の威厳をことごとく粉砕され、しかし一発奮起の瞬間に入ってきた同僚教師を見た森秋先生は1つ残った椅子をして教師の威厳を保つことを諦め…一気に髪が抜け落ちて予言どおりとなりましたとさ。がんばれ森秋先生。

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今回のエンドカード(提供バック)は水上悟志氏。アワーズ繋がり?

   

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