2010-11-21(Sun)

それでも町は廻っている #07 愛のナイトウ避行

知らない町と夜の町。

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身近な異世界、二編です。

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Aパートは原作第5話「愛の逃避行」から。相変わらずランダムな作りは前回から大きく巻き戻ってコミックス第1巻の話、季節は夏へ戻ります。朝から強い日差しが落とす濃い影、キツめのコントラストが夏の雰囲気を見せていますね。朝食のカニパン(本物)を食ってバス待ちの真田、てな所へ遅刻常習の歩鳥が珍しく余裕の時間にやってきました。夏服の歩鳥を眺める視線が顔の直前で止まるのは好きな子の顔を正面から見られない恋する青少年の照れ臭さ? あまずっぺー。

名簿順で遅刻のアウトセーフが決まるのは確かに理不尽だなあ。間に合わせようと必死に走った歩鳥の苦労も「名簿順」という如何ともし難い壁にシャットアウト、「出欠を取った時に居なければ遅刻」ってのは杓子定規な森秋先生らしいけれど(笑。ダッシュ歩鳥にすかさずツッコむツッコミ爺さんがここでも登場、前回亀井堂前でも登場したこの爺さんにもきちんとストーリーがあるので覚えておくといいかも。アニメでその話をやるかわかりませんが。

バスに乗り込んだ二人。徹夜で推理小説を読破した歩鳥はコックリと居眠り、思わぬ肩枕展開に頭がフットーしちゃう真田がかわいいです。しかしまもなく学校前のバス停、この至福の時を自らの指で終止符を打つか…寝入る歩鳥のかわいいこと色っぽいこと、この美少女顔を見てしまったら降車ボタンなど押せないね(笑

ちなみにここで歩鳥が真田へ貸した「1/4の殺意」が前回Bパートの惨事の原因、こんな風にパズルが埋まっていく作りは楽しい。

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終点に取り残された二人はそのままサボって「知らない町」の探検へ。買ったジュースが落とす影は夏の日差しと時間経過を感じさせる好カット、いかにもだけれどこういう絵面好きなのよね。サボりの誘いにドキドキ、知らない町に感動する様子にドキドキ、手を繋がれてドキドキと真田のハートビートは1000馬力のエクスタシー状態です。その全てに完全自然体の歩鳥との温度差が切ないけれど真田はシアワセMAX、あまずっぺー!

たいていの人は自分の生活圏内の生活感しかわからない。他の町にも生活を営む人々が居ることは理屈ではわかっていてもいまいちピンと来ないものです。日常の視界に入っていた「狭い世界」以外にも世界は広がっている、知らない町の住宅街を見た歩鳥が言う「安心したような悔しいような」という感覚は井の中の蛙がちょっと顔を出した程度だけれど、世界が広がった瞬間の表現としてじつに共感できるものでした。

川縁での弁当タイム。ここも影の短さと強いコントラストが夏の日中を感じさせます。夕暮れまで遊んでの帰り道にて語られた「真田と歩鳥が遊ばなくなった理由」はこれまた実に小学生男子っぽくて笑った。わかるわかる(笑

帰宅後に日記に挑戦の真田は物書きに慣れていないので大した事が書けず。文章力を養おうと歩鳥から借りた推理小説を読み始めますが…犯人が判っている推理小説ほどつまらないものは無いのでそのうち机の下へ放り出し、そして前回の惨劇へ繋がるのでしょう。あはは。

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Bパートは原作第16話「ナイトウォーカー」から。アニメオリジナルの枕パート、真田が言う「冷コー」ってクラシカルな表現だったのか…私は普通に使っているぞ。まあ私がクラシカルな存在であることは否定しないけど。ってタッツンの出番これだけかい!

工作の材料が欲しくてリポD一気飲みのタケルは目ぇギンギラギンで眠れず…確かに子供がこんなの飲んだら寝られないかも。こういう感覚も懐かしいな。そろそろ就寝の歩鳥の部屋へ現れたタケル、その姿に驚いて飛び退けながらも叫び声に気を遣う歩鳥はよく訓練されています(笑

というわけで無駄なエネルギーを消費するため歩鳥&タケルは夜のお散歩、ナイトウォーカーに出発です。家の出入りにいろいろ気を遣う歩鳥の慣れっぷり、こりゃ確かに常習犯っぽい。

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ひっそり寝静まった夜の商店街。昼の賑やかさが嘘のように誰もいなくなった商店街の雰囲気は子供にとってまさに異世界でしょう。同じ商店街なのに昼と夜ではまったく表情が違う…Aパートでは「知らない町」に感動する歩鳥を描き、このBパートでは「同じ町」の表情差に感動するタケルを描いてきました。テーマとしては「日常の近くにある異世界」ってな感じ? なかなか考えられた構成です。

夜のシーサイドは紳士の社交場、八百屋とこぶ平の顔も見えて結構盛り上がっている様子です。閑古鳥の昼間よりもこっちのほうが稼ぎが多そう。暗い夜道にポツリと光る看板はじつにオトナの世界っぽく、タケルはもちろん歩鳥も夜のシーサイドには入りません。この辺の線引きがきちんとわかっている歩鳥は意外としっかり者なのかも。

背中の装備から「エスエス」を…Sカンを取り出す歩鳥へ「スリングショットだよ」とタケル、きっと覚えたてのローマ字を使いたいのだなあ。「Sling Shot」ではなく「Suringu Shotto」の頭文字なのだろうね(笑

貴重なDDをSSで飛ばして真田を呼び出す算段でしたが歩鳥の狙いが正確すぎてえらいことに。この時真田はパソコン作業中、おそらくエロ画像収集なのでしょうけれど…一生懸命集めたエロ画像も歩鳥のために全デリの運命か。せつねー!

小腹が空いて屋台ラーメンへ。夜中に家を抜け出して屋台ラーメンを食べるなんて子供ゴコロにどんだけワクワクか。このタケルの表情が全てを物語っていますね。わかるわかる(笑

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屋台を見つけて勢いよく暖簾を上げる歩鳥、しかしそこにはおまわりさんが…慌てて裏へ走る歩鳥の様子が隙間から見えてます。ツッコミ待ちで所在確認のおまわりさんはさすが歩鳥の特性がよくわかってらっしゃる、一方の歩鳥はよく我慢した!

深夜のコンビニシーンも良かった。晩メシ食ったら外へ出ない小学生は「窓の外が暗い」コンビニを初体験、こんなことで感動できた頃が私にもあったのだろうけれどもちろん忘却の彼方であり、しかしそんな感覚を思い出させてくれる本作の深さ、子供視点の再現に改めて感動です。

「日付またぎの感動」ってのも懐かしい。小学生の頃は遅くとも夜10時には布団に入れられ、夜10時過ぎのTV番組など土曜の晩にウィークエンダーを10時半くらいまで見られるのがせいぜい、その辺過ぎると眠気に勝てなかったっけ。日付またきの初体験はおそらくいつぞやの大晦日だろうなあ、そんな時間まで起きてられたのは年越しくらいしか。というか日付またぎでTVやってるのなんて大晦日くらいしか無かった時代、昔は大人も12時前にサッサと寝ちゃったものです。

閑話休題。日付またぎの演出で歩鳥&タケルが床タイルをまたぐのは効果的でした。色違いの床タイルは日付の区切り、その両方に足を渡したタケルの戸惑いはじつに小学生らしい。

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ナイトウォーカーから帰還した二人は冷えた体を温めるべく風呂へ。やっぱりここでも手慣れている歩鳥、その事にきっちり気付いているタケルは頭が回る子だなあ。とはいえ何の意識もせず普通にお姉ちゃんと風呂に入っている辺りまだ小学生ですね。役得!?

風呂シーンにて無駄に色っぽい歩鳥の図。暗い風呂場に浮かぶ肌色がじつに艶めかしい。水を弾く肌の描写も良し、脱ぐと意外とムネがある?(笑

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エンドカード(提供バック)はArk Performance。アワーズ繋がりですね。

※おまけ:今回(第7話)までの原作エピソード順並び替え一覧。

アニメ1話A:第1話「至福の店 ビフォア」
アニメ1話B:第2話「至福の店 アフター」
アニメ2話A:第3話「セクハラ裁判」
アニメ3話A:第4話「目」
アニメ7話A:第5話「愛の逃避行」
アニメ5話A:第6話「辰野トシ子は砕けない」
アニメ2話B:第8話「看板娘が大人気」
アニメ4話A:第9話「恋の方程式」
アニメ3話B:第11話「猫少年」
アニメ7話B:第16話「ナイトウォーカー」
アニメ6話B:第17話「出張メイドサービス」
アニメ6話A:第20話「パンドラの箱」
アニメ4話B:第25話「呪のルーレット」
アニメ5話B:第33話「実に微妙なカード」

これを見ていただければ伏線の絡まり具合が多少わかりやすいかも?

   

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No title

冷コー・・・今回初めて耳にしましたw
ググっても中高年層しか使わないとか。私の地方では誰も使っていないような・・・・。

アニメではほとんどギャグ系ばかり来ていましたが、それ町は本来どこかしんみりした話も多いんですよね。
今回シャフトではどうも雰囲気出し切れていないのが残念ですが、放送前からこのコレジャナイ感はもう覚悟は出来ていましたw
カットの切り替えの激しさや独特なアングルの多発が、落ち着いた話にあっていないのでしょう。ギャグ話には相性良いのですが(あとジョセフィーヌが致命的)
何かBGMの使い方もズレてるような・・・・。
シャフトによくあるアニメオリジナルミニパートで本編の余韻も無いですし。
紺先輩関連はしんみりした話が多いし、アニメ化が不安です。それとも原則明るい話で通すのか。
他所の会社なら、最終回には2巻の「それでも町は廻っている」を確実に持ってきそうなものですが、シャフトですからねぇ・・・・。
アニメオリジナルで皆が見舞いに来て特殊EDでOP曲を流しながら最後にオチをつけて終了、といった王道的最終回が私は好きなのですが・・・・。

SF(すこし・ふしぎ)系の話もそれ町は多いですが、アニメで見てみたいところです。
日常の中に潜む非日常というのは幼少の頃見ていた類のアニメを思い出すので好きですね。

それでは失礼します。

れすれす

冷コー。西のほうでは結構使うと聞いたような気がしますが私は生粋の関東人なのでナントモ。まあ普段から普通に「冷コー」と言っている私は確かに若者ではありません(笑

確かにしんみりした話にいつものシャフト演出は向かないかもしれませんね。とはいえさすがにその辺は考えているでしょうし、実際「猫少年」の出来は悪くなかったのであまり悲観していなかったりします。おっしゃるとおり基本コメディ路線でしょうし。

原作13・14話の「それでも町は廻っている」は非常にいい話で、しかしいい話すぎて今作の最終回には向かないような気もします。あの話で歩鳥が復活して、その次回でまた普通にコメディやって、あたかもまだ次があるようにあっさり終わってしまうのがそれっぽいような。だってアニメが最終回を迎えても「町は廻っている」のですから(笑

原作だと「ミシンそば」の話が好き、真相が判った後の歩鳥のリアクションが良すぎます。でもしんみりしすぎてアニメではやってくれないかも。
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