2010-12-10(Fri)
それでも町は廻っている #10 穴ツッコミじいさん
宇宙人と幽霊と。

それ町名物不思議話二編でした。

Aパートは原作第18話「穴」から。冒頭の「あなたの目はあなたの体を離れて…」のナレーションはウルトラQでしたっけ? 懐かしい。朝のニュースは「空き地に空いた謎の穴」で大騒ぎ、それを見ている歩鳥はブルー、その後の学校では何故か紺先輩がオレンジな感じ…妙なハイテンションを「オレンジ」すなわち「ブルーの反対」とは上手いこと言う。
それ町アニメは歩鳥たちの下半身を強調する絵面が多く、この屋上シーンもむちむち肉感的な脚が眩しい。ほとりはあしふといなっ! 石黒氏はこの表現を気に入っているらしいけれど私はどうも未だ馴染めない。別にこの肉感表現が悪いってんじゃありません(絵面的にはむしろ好き)が「何か違う」と感じざるを得ない原作ファンの戯言です。
引き続きブルーな歩鳥は「穴」の話にオレンジな先輩にキレまくり、この辺のシーンは少々過剰な演出で険悪な雰囲気ありありです。影の落ちた歩鳥の手を握る紺先輩の表情変化も良し。
夜の買い物にて拾った光線銃のようなもの。これが歩鳥ブルーの理由でした。

オモチャと思った光線銃のトリガーを冗談半分で引いたら光の玉が現れ、その玉に触れた物がすっぱり消えて穴が空いてしまった。冒頭のニュースで騒いでいた「謎の穴」は歩鳥が空けたものだったのです。そして現れた宇宙人、歩鳥に話しかける宇宙語のハングルみたいな字幕は原作どおりで、画像のカットはコミックス2巻にある対応表によると「ソレヲ ヨコセ」と言っています。その後現れた2体目との会話も全て対応表で訳せるので興味がある方はどうぞ(笑。その2体目は1体目のビームにて消去され、何だかえらいことに巻き込まれちゃってる歩鳥はガクブルガクブル…この辺のシーンはアニメ化で結構な迫力映像になってましたね。ピカピカエフェクトが効いてたけれど少々やりすぎ感も。
そんな荒唐無稽な話を何故か信じている紺先輩、というのも先輩も「謎の拾い物」をしていたのです。物を消す光線銃に対し紺先輩の拾い物は復元光線…折った箸が見る見る復元するカットはこれまた下半身を強調アングルで(笑
日常を離脱したい紺先輩は「穴騒動」の中心になれると思っていたのに、結局歩鳥のフォロー役に落ち着いてしまう。話をかき回す中心は常に歩鳥であり、周りはそのフォローという、結局今作の構造まんまの配役でした。
さて先輩と共に事件現場へ。復元光線を照射すると穴は見る見る元通りに…しかし復元しなくてもいいものまで復元されてしまったというオチ。この後二人はどうなったんでしょうね?

Bパートは原作第28話「ツッコミじいさん」。今までの話で何度か登場しているので見覚えがある方も多いでしょう、ひょいと現れてはいちいちツッコミを入れていたじいさんのお話です。いかにも伏線っぽく登場していたけれどまさかきっちり回収されるとは。
公園でのツッコミシーンはじいさんが「人ではない」ことを上手く見せていました。人には気付かれない姿も猫には見える、何かを目で追うコバンとじいさんに気付かない紺先輩の対比も面白い。どこぞの病院にて入院中のじいさんは今際の際に「コミュニケーション」を言えないまま昇天、ツッコミが売りのじいさんなのにこの世との別れが「ツッコまれ」て終わったってのも皮肉な話です(笑
事切れると同時に宙へ放られ、即座に天使が迎えに来るという昇天システム。原作ではこの話の前に同システムを見せる別エピソードがあるので問題無いのだけれど、アニメでは突然これなので初見の人は唐突感があったかも? ともあれ別件で忙しい天使からスルーされて以来10年余、いちいちツッコミ入れながら地上を彷徨うじいさんでした。神主にすら姿を気付かれないじいさん、しかし歩鳥とはシンクロツッコミしちゃったり妙に波長が合う?

病院にてじいさんを看取った、というか最後のツッコミを入れたばあさんの声の主はメイド長でした。つまりこのじいさんはメイド長の亡き旦那、シーサイドの先代マスターなのです。寝る前に仏壇へ語りかけるメイド長、優しい表情で見守るじいさん。「そんなに熱心に拝まれたら成仏しちまうぜ…」とは泣かせるツッコミだなあ。そして「いっぺんだって夢枕に立ちにも来ねぇ薄情な亭主だ」…「来とる! 居る!」のツッコミは切なくも可笑しい。
学校帰りの三人は歩鳥の遅刻にツッコミまくり。それに混ざったじいさんの声にもきちんと反応する歩鳥はやはりタダ者ではない? というか動物レベルということか(笑
メイド長はじいさんのいつもの席をじっと見つめ、タッツンにコーヒーを頼んで奥の席へ…もしかしたら姿が見えてる?と運ばれたコーヒーを前に一瞬喜んだじいさんでしたが、そのままどっかと席へ座ってコーヒーをすするメイド長へツッコんでのオチ。綺麗な話で終わらないのがそれ町らしいオチでした。
今回は二編とも「不思議な話」。日常コメディがメインのそれ町ですがたまにこういう話が入り、またそれが抜かりなく面白いのだなあ。石黒氏の力量を感じますね。他にも面白いエピソードがたくさんあるので興味があったらぜひコミックスを読んでみてください。

エンドカード(提供バック)は星野リリィ氏。「おとめ妖怪ざくろ」の作者さんですね。
※おまけ:今回までの原作エピソード順並び替え一覧。
アニメ01話A:第01話「至福の店 ビフォア」
アニメ01話B:第02話「至福の店 アフター」
アニメ02話A:第03話「セクハラ裁判」
アニメ03話A:第04話「目」
アニメ07話A:第05話「愛の逃避行」
アニメ05話A:第06話「辰野トシ子は砕けない」
アニメ02話B:第08話「看板娘が大人気」
アニメ04話A:第09話「恋の方程式」
アニメ03話B:第11話「猫少年」
アニメ07話B:第16話「ナイトウォーカー」
アニメ06話B:第17話「出張メイドサービス」
アニメ10話A:第18話「穴」
アニメ06話A:第20話「パンドラの箱」
アニメ08話A:オリジナル「全自動世界」
アニメ08話B:第21話「迷路楽団」
アニメ04話B:第25話「呪のルーレット」
アニメ10話B:第28話「ツッコミじいさん」
アニメ09話A:第32話「激突!妖精VS死神」
アニメ05話B:第33話「実に微妙なカード」
アニメ09話B:第71話「大人買い計画」
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それ町名物不思議話二編でした。

Aパートは原作第18話「穴」から。冒頭の「あなたの目はあなたの体を離れて…」のナレーションはウルトラQでしたっけ? 懐かしい。朝のニュースは「空き地に空いた謎の穴」で大騒ぎ、それを見ている歩鳥はブルー、その後の学校では何故か紺先輩がオレンジな感じ…妙なハイテンションを「オレンジ」すなわち「ブルーの反対」とは上手いこと言う。
それ町アニメは歩鳥たちの下半身を強調する絵面が多く、この屋上シーンもむちむち肉感的な脚が眩しい。ほとりはあしふといなっ! 石黒氏はこの表現を気に入っているらしいけれど私はどうも未だ馴染めない。別にこの肉感表現が悪いってんじゃありません(絵面的にはむしろ好き)が「何か違う」と感じざるを得ない原作ファンの戯言です。
引き続きブルーな歩鳥は「穴」の話にオレンジな先輩にキレまくり、この辺のシーンは少々過剰な演出で険悪な雰囲気ありありです。影の落ちた歩鳥の手を握る紺先輩の表情変化も良し。
夜の買い物にて拾った光線銃のようなもの。これが歩鳥ブルーの理由でした。

オモチャと思った光線銃のトリガーを冗談半分で引いたら光の玉が現れ、その玉に触れた物がすっぱり消えて穴が空いてしまった。冒頭のニュースで騒いでいた「謎の穴」は歩鳥が空けたものだったのです。そして現れた宇宙人、歩鳥に話しかける宇宙語のハングルみたいな字幕は原作どおりで、画像のカットはコミックス2巻にある対応表によると「ソレヲ ヨコセ」と言っています。その後現れた2体目との会話も全て対応表で訳せるので興味がある方はどうぞ(笑。その2体目は1体目のビームにて消去され、何だかえらいことに巻き込まれちゃってる歩鳥はガクブルガクブル…この辺のシーンはアニメ化で結構な迫力映像になってましたね。ピカピカエフェクトが効いてたけれど少々やりすぎ感も。
そんな荒唐無稽な話を何故か信じている紺先輩、というのも先輩も「謎の拾い物」をしていたのです。物を消す光線銃に対し紺先輩の拾い物は復元光線…折った箸が見る見る復元するカットはこれまた下半身を強調アングルで(笑
日常を離脱したい紺先輩は「穴騒動」の中心になれると思っていたのに、結局歩鳥のフォロー役に落ち着いてしまう。話をかき回す中心は常に歩鳥であり、周りはそのフォローという、結局今作の構造まんまの配役でした。
さて先輩と共に事件現場へ。復元光線を照射すると穴は見る見る元通りに…しかし復元しなくてもいいものまで復元されてしまったというオチ。この後二人はどうなったんでしょうね?

Bパートは原作第28話「ツッコミじいさん」。今までの話で何度か登場しているので見覚えがある方も多いでしょう、ひょいと現れてはいちいちツッコミを入れていたじいさんのお話です。いかにも伏線っぽく登場していたけれどまさかきっちり回収されるとは。
公園でのツッコミシーンはじいさんが「人ではない」ことを上手く見せていました。人には気付かれない姿も猫には見える、何かを目で追うコバンとじいさんに気付かない紺先輩の対比も面白い。どこぞの病院にて入院中のじいさんは今際の際に「コミュニケーション」を言えないまま昇天、ツッコミが売りのじいさんなのにこの世との別れが「ツッコまれ」て終わったってのも皮肉な話です(笑
事切れると同時に宙へ放られ、即座に天使が迎えに来るという昇天システム。原作ではこの話の前に同システムを見せる別エピソードがあるので問題無いのだけれど、アニメでは突然これなので初見の人は唐突感があったかも? ともあれ別件で忙しい天使からスルーされて以来10年余、いちいちツッコミ入れながら地上を彷徨うじいさんでした。神主にすら姿を気付かれないじいさん、しかし歩鳥とはシンクロツッコミしちゃったり妙に波長が合う?

病院にてじいさんを看取った、というか最後のツッコミを入れたばあさんの声の主はメイド長でした。つまりこのじいさんはメイド長の亡き旦那、シーサイドの先代マスターなのです。寝る前に仏壇へ語りかけるメイド長、優しい表情で見守るじいさん。「そんなに熱心に拝まれたら成仏しちまうぜ…」とは泣かせるツッコミだなあ。そして「いっぺんだって夢枕に立ちにも来ねぇ薄情な亭主だ」…「来とる! 居る!」のツッコミは切なくも可笑しい。
学校帰りの三人は歩鳥の遅刻にツッコミまくり。それに混ざったじいさんの声にもきちんと反応する歩鳥はやはりタダ者ではない? というか動物レベルということか(笑
メイド長はじいさんのいつもの席をじっと見つめ、タッツンにコーヒーを頼んで奥の席へ…もしかしたら姿が見えてる?と運ばれたコーヒーを前に一瞬喜んだじいさんでしたが、そのままどっかと席へ座ってコーヒーをすするメイド長へツッコんでのオチ。綺麗な話で終わらないのがそれ町らしいオチでした。
今回は二編とも「不思議な話」。日常コメディがメインのそれ町ですがたまにこういう話が入り、またそれが抜かりなく面白いのだなあ。石黒氏の力量を感じますね。他にも面白いエピソードがたくさんあるので興味があったらぜひコミックスを読んでみてください。

エンドカード(提供バック)は星野リリィ氏。「おとめ妖怪ざくろ」の作者さんですね。
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アニメ01話A:第01話「至福の店 ビフォア」
アニメ01話B:第02話「至福の店 アフター」
アニメ02話A:第03話「セクハラ裁判」
アニメ03話A:第04話「目」
アニメ07話A:第05話「愛の逃避行」
アニメ05話A:第06話「辰野トシ子は砕けない」
アニメ02話B:第08話「看板娘が大人気」
アニメ04話A:第09話「恋の方程式」
アニメ03話B:第11話「猫少年」
アニメ07話B:第16話「ナイトウォーカー」
アニメ06話B:第17話「出張メイドサービス」
アニメ10話A:第18話「穴」
アニメ06話A:第20話「パンドラの箱」
アニメ08話A:オリジナル「全自動世界」
アニメ08話B:第21話「迷路楽団」
アニメ04話B:第25話「呪のルーレット」
アニメ10話B:第28話「ツッコミじいさん」
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