2011-01-29(Sat)
魔法少女まどか☆マギカ #04 奇跡も、魔法も、あるんだよ
あなたは優しすぎる。

その優しさがもっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ。

掟破りのマミショックから一週間、第4話の開幕は第3話中盤にて上条くんの病室を訪れたさやかの様子、そこから件の彼の容態を見せてきました。手に巻かれた包帯は何らかの事故によるものらしく、また前回は描写が無かったけれど足にも負傷を負ったようです。彼以外誰もいないリハビリルームにて孤独な戦い、回復へ向けて必死にがんばる様子が見て取れますね。しかし暗い室内に左から差す陽光は「希望」よりも「不吉」を思わせ、事実そのとおりになってしまった。
見舞いを空振りのさやかはそのまままどかたちが待つ階下へ。途中のエレベータにて上条くんの不幸と自らの無力を嘆き、「他人のための願い」に心を揺らす。マミから言われたとおりさやかの心の底には「願いを叶えてあげた対価」を求める気持ちがあり…無償の愛の境地へはなかなか至らないものだよなあと、アバンっから人間の本質を突く描写に心が痛い。というかこの時点で既に涙目の私。
OP明けのAパートはまどか宅の朝の風景。マミの最期に立ち会ってしまったまどかは朝食も喉を通らず、しかし口にした食事の美味しさに涙する。家族と過ごす平穏な朝は「生きている」からこそのもので、こんなさりげない日常のありがたさを身に染みて感じたのでしょう。
いつもの三人で揃って登校の風景も昨日までとは違っていました。何も知らない仁美の明るさとの対比でまどかの悲しみが一層深く見え、しかし同じ悲しみを共有しているはずのさやかは言葉少なにサッサと行ってしまいました。教室でも悲しみに押し潰されそうなまどか、しかしさやかはじっと何か考え続けている様子で…そう簡単に答えは出せないでしょうね。どよんどMAXのまどかを見つめるほむらの視線が静かに熱い…よほど気に掛けているのだなあ。

いつもと変わらない日常のはずが昨日とすっかり違って見える。自分たちだけが知っている世界と通常世界の狭間に立った故の戸惑いもあるでしょうが、やはり「マミの最期」という衝撃的な場面に直面したショックは計り知れない。女子中学生があの場面をリアルで見ちゃったらおそらくこんなものでは済まないとは思うけれど、魔法少女体験に対し半ば観光気分だった意識を一転させるに十分すぎました。人間って過大な精神ショックを受けるとこんな感じになりますよね。
魔法少女の現実を見てしまったまどかはどうする? マミを生き返らせる? マミの敵を討つ? いやいやまどかの答えはじつにリアリティに溢れるものでした。安っぽい展開にならなくてよかった。このまどかの答えを聞いて見続ける気が起きましたよ。あれだけ残虐に殺されたマミがあっさり復活したらやりきれないです。
二人の会話の要所要所に入るキュウべえのカットが不気味すぎてナントモですが、まどかの答えを聞くとあっさりサヨウナラ…いればいたで不気味だし、消えれば消えたで不気味なキュウべえは本作にて凄い存在感ですなあ。
その後まどかはマミ宅へ。影が落ちた表札をよく見ると家族の名前が書かれており、つまりマミは家族と暮らした家に残された形の一人暮らしでした。家族の思い出が残る家は寂しさを紛らわせる一方で「帰ってこない家族」に寂しさを増幅されそう。そんな家で一人紅茶を淹れて飲んでいる姿を想像すると泣けてきます。

テーブルに残されたポットとティーカップ。カップにはまだ紅茶が残っており、すなわちこれはまどかからの魔女報告に大急ぎで出掛けた形跡でしょう。そのテーブルへ魔法少女コスを書いたノートを置いていったのはまどかなりのケジメか弔いか、「一緒に戦う」というマミとの約束を守れなかったまどかの思いが伝わってきます。
「魔法少女の最期なんてそういうものよ」
その帰り道にてほむらと遭遇。ここからしばらくシャフトお得意の光演出にて綺麗な画面が続きますが、その美しさと裏腹に逆光に沈んで描かれるキャラの会話はなかなかキッツイです。向こう側で死ぬと死体が残らない、現実世界では誰にも知られず行方不明…マミ死亡後の扱い(死体や周囲の記憶など)はどうなるのだろう?と思っていたけれどこれほど「そのまんま」な設定とは。
「ほむらちゃんのことだって私は忘れないもん!」
マミのことを忘れない!と叫ぶまどかへ「巴マミがうらやましい」とほむら。するとまどかはほむらのことも忘れないと叫ぶ。それらまどかのセリフに手をギュッと握り締め、悲しげな表情を見せるほむら…これに限らず「ループ展開」の伏線と思われる描写が多々あるけれどあまりに露骨なのでおそらく一ひねり二ひねりあるのでしょう。

Bパートは上条くんの病室シーンから。いつものようにかいがいしく見舞いに訪れ笑顔で話すさやかに豹変した上条くん…このシーンはキタエリの演技も光りまくりで見ていて胸が痛い。自らの絶望をさやかにぶつける上条くんは最低かもしれないけれど、生き甲斐であるバイオリンをあの年齢で取り上げられたら八つ当たりを止められないかもしれません。ベタな展開だけど辛い。
CDをぶち割って流血の上条くんを止めるさやか。その時顔に落ちる十字の影、そしてベッドに落ちる十字の影が不吉すぎて絶句です。ああもう勘弁して。
「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
絶望に暮れる上条くんを見てついに決心したさやか。グッと見上げた瞳に映るその影は…なんだか全てキュウべえの手のひらの上のような。

一方のまどかは夜の街にて仁美を発見、しかし駆け寄って見ると首に例の紋章が! 魔女に取り憑かれた仁美はおかしなテンションでまどかを連れてどこかの工場へ、周囲を見れば同じ紋章を付けた人々がわらわらと集まってきています。以前は対象が一人だったけれど今回の魔女は集団で片付けるつもり? こういうパターンもアリなのね。
密閉した工場にて「まぜるな危険」の液体をバケツに流し込んでの集団自殺、その危険性を母ちゃんから聞いていたまどかは止めようとするけれど…無力なまどかの必死さと取り憑かれている仁美の温度差極まるやり取りが緊迫感を煽ります。シナリオも上手いけれど声優さんもいい仕事してます。見ていて胃が痛いよ。

必死のダッシュでバケツを捨てると取り囲まれてしまったまどか。これまた必死にドアを開けて逃げ込み…ここも胃が痛い。ドアを閉めてホッと一息吐く間もなく今度はイヌカレー時空が発生し精神攻撃が始まりました。奥から現れたモニタに映っている影は魔女の正体? シルエットで描かれたその姿はどう見ても「魔法少女」ですが…やはりそういうことなのか? たくさんのモニタに映ったマミの姿を見るとまどかは自分を責め「弱虫だから、嘘つきだからバチが当たった」と精神攻撃に身を委ねてしまう。まどかもキツイだろうけれど見ているこっちもキツイです。
てなところへ颯爽と魔法少女が登場、もうイヤな予感しかしません。

言うまでもなくそれはさやかでした。初陣にも関わらず見事な刀裁きで魔女を一閃のさやか☆マギカ。おそらく「まどかの危機」に駆け付けたであろうほむらは遠くからその一部始終を見ており、「何かの始まり」を示すであろう三日月の背景も印象的でした。それはそうと魔女狩り後に倒れる瞳の脚が美味しそうで困る。どこ見てんのよ!
「アタシ完璧!(違」と軽い調子で報告するさやかに対し、魔法少女になることの意味を思い知っているまどかは動揺を隠せない。ほむらの姿を見つけると「遅かったじゃない! 転校生!」と名前すら呼ばず敵意剥き出しのさやか、しかしほむらはそんなさやかに複雑な表情を見せます。はたしてほむらの真意はどこにあるのか?
さやかの「願い」が叶えられたカットを見るに(マミの例でも明らかでしたが)この契約は報酬先払い、つまり願いを叶えてもらった後に支払い(魔女退治)を続けるシステムなのですね。しかし支払いの最中にジェムが濁りきってしまったらどうなるのか? それ以前にこの契約に完済はあるのか? いったいいつまで魔女退治を続けなければならないのか? マミが「魔法少女の覚悟」を試したように、それら契約問題についてさやかが使われるような気がしてなりません。ううう。
「要するに、ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ? その子」
さてマミが退場したことで空いたショバを埋めに来たマジカルキョーコ(違)、キュウべえとの会話を見るとどうも平和的な人物では無さげです。「魔法少女の死」に続いて「魔法少女同士の戦い」と私的にキツイ展開が続きそうですが、悔しいことに先が気になるのだなあ。見たい気持ちと見たくない気持ちがイヌカレー時空のようにコラージュされてる今日この頃です。

エンドカード(予告バック)は小林尽氏。えらく筋肉質なまどかですね(笑
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その優しさがもっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ。

掟破りのマミショックから一週間、第4話の開幕は第3話中盤にて上条くんの病室を訪れたさやかの様子、そこから件の彼の容態を見せてきました。手に巻かれた包帯は何らかの事故によるものらしく、また前回は描写が無かったけれど足にも負傷を負ったようです。彼以外誰もいないリハビリルームにて孤独な戦い、回復へ向けて必死にがんばる様子が見て取れますね。しかし暗い室内に左から差す陽光は「希望」よりも「不吉」を思わせ、事実そのとおりになってしまった。
見舞いを空振りのさやかはそのまままどかたちが待つ階下へ。途中のエレベータにて上条くんの不幸と自らの無力を嘆き、「他人のための願い」に心を揺らす。マミから言われたとおりさやかの心の底には「願いを叶えてあげた対価」を求める気持ちがあり…無償の愛の境地へはなかなか至らないものだよなあと、アバンっから人間の本質を突く描写に心が痛い。というかこの時点で既に涙目の私。
OP明けのAパートはまどか宅の朝の風景。マミの最期に立ち会ってしまったまどかは朝食も喉を通らず、しかし口にした食事の美味しさに涙する。家族と過ごす平穏な朝は「生きている」からこそのもので、こんなさりげない日常のありがたさを身に染みて感じたのでしょう。
いつもの三人で揃って登校の風景も昨日までとは違っていました。何も知らない仁美の明るさとの対比でまどかの悲しみが一層深く見え、しかし同じ悲しみを共有しているはずのさやかは言葉少なにサッサと行ってしまいました。教室でも悲しみに押し潰されそうなまどか、しかしさやかはじっと何か考え続けている様子で…そう簡単に答えは出せないでしょうね。どよんどMAXのまどかを見つめるほむらの視線が静かに熱い…よほど気に掛けているのだなあ。

いつもと変わらない日常のはずが昨日とすっかり違って見える。自分たちだけが知っている世界と通常世界の狭間に立った故の戸惑いもあるでしょうが、やはり「マミの最期」という衝撃的な場面に直面したショックは計り知れない。女子中学生があの場面をリアルで見ちゃったらおそらくこんなものでは済まないとは思うけれど、魔法少女体験に対し半ば観光気分だった意識を一転させるに十分すぎました。人間って過大な精神ショックを受けるとこんな感じになりますよね。
魔法少女の現実を見てしまったまどかはどうする? マミを生き返らせる? マミの敵を討つ? いやいやまどかの答えはじつにリアリティに溢れるものでした。安っぽい展開にならなくてよかった。このまどかの答えを聞いて見続ける気が起きましたよ。あれだけ残虐に殺されたマミがあっさり復活したらやりきれないです。
二人の会話の要所要所に入るキュウべえのカットが不気味すぎてナントモですが、まどかの答えを聞くとあっさりサヨウナラ…いればいたで不気味だし、消えれば消えたで不気味なキュウべえは本作にて凄い存在感ですなあ。
その後まどかはマミ宅へ。影が落ちた表札をよく見ると家族の名前が書かれており、つまりマミは家族と暮らした家に残された形の一人暮らしでした。家族の思い出が残る家は寂しさを紛らわせる一方で「帰ってこない家族」に寂しさを増幅されそう。そんな家で一人紅茶を淹れて飲んでいる姿を想像すると泣けてきます。

テーブルに残されたポットとティーカップ。カップにはまだ紅茶が残っており、すなわちこれはまどかからの魔女報告に大急ぎで出掛けた形跡でしょう。そのテーブルへ魔法少女コスを書いたノートを置いていったのはまどかなりのケジメか弔いか、「一緒に戦う」というマミとの約束を守れなかったまどかの思いが伝わってきます。
「魔法少女の最期なんてそういうものよ」
その帰り道にてほむらと遭遇。ここからしばらくシャフトお得意の光演出にて綺麗な画面が続きますが、その美しさと裏腹に逆光に沈んで描かれるキャラの会話はなかなかキッツイです。向こう側で死ぬと死体が残らない、現実世界では誰にも知られず行方不明…マミ死亡後の扱い(死体や周囲の記憶など)はどうなるのだろう?と思っていたけれどこれほど「そのまんま」な設定とは。
「ほむらちゃんのことだって私は忘れないもん!」
マミのことを忘れない!と叫ぶまどかへ「巴マミがうらやましい」とほむら。するとまどかはほむらのことも忘れないと叫ぶ。それらまどかのセリフに手をギュッと握り締め、悲しげな表情を見せるほむら…これに限らず「ループ展開」の伏線と思われる描写が多々あるけれどあまりに露骨なのでおそらく一ひねり二ひねりあるのでしょう。

Bパートは上条くんの病室シーンから。いつものようにかいがいしく見舞いに訪れ笑顔で話すさやかに豹変した上条くん…このシーンはキタエリの演技も光りまくりで見ていて胸が痛い。自らの絶望をさやかにぶつける上条くんは最低かもしれないけれど、生き甲斐であるバイオリンをあの年齢で取り上げられたら八つ当たりを止められないかもしれません。ベタな展開だけど辛い。
CDをぶち割って流血の上条くんを止めるさやか。その時顔に落ちる十字の影、そしてベッドに落ちる十字の影が不吉すぎて絶句です。ああもう勘弁して。
「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
絶望に暮れる上条くんを見てついに決心したさやか。グッと見上げた瞳に映るその影は…なんだか全てキュウべえの手のひらの上のような。

一方のまどかは夜の街にて仁美を発見、しかし駆け寄って見ると首に例の紋章が! 魔女に取り憑かれた仁美はおかしなテンションでまどかを連れてどこかの工場へ、周囲を見れば同じ紋章を付けた人々がわらわらと集まってきています。以前は対象が一人だったけれど今回の魔女は集団で片付けるつもり? こういうパターンもアリなのね。
密閉した工場にて「まぜるな危険」の液体をバケツに流し込んでの集団自殺、その危険性を母ちゃんから聞いていたまどかは止めようとするけれど…無力なまどかの必死さと取り憑かれている仁美の温度差極まるやり取りが緊迫感を煽ります。シナリオも上手いけれど声優さんもいい仕事してます。見ていて胃が痛いよ。

必死のダッシュでバケツを捨てると取り囲まれてしまったまどか。これまた必死にドアを開けて逃げ込み…ここも胃が痛い。ドアを閉めてホッと一息吐く間もなく今度はイヌカレー時空が発生し精神攻撃が始まりました。奥から現れたモニタに映っている影は魔女の正体? シルエットで描かれたその姿はどう見ても「魔法少女」ですが…やはりそういうことなのか? たくさんのモニタに映ったマミの姿を見るとまどかは自分を責め「弱虫だから、嘘つきだからバチが当たった」と精神攻撃に身を委ねてしまう。まどかもキツイだろうけれど見ているこっちもキツイです。
てなところへ颯爽と魔法少女が登場、もうイヤな予感しかしません。

言うまでもなくそれはさやかでした。初陣にも関わらず見事な刀裁きで魔女を一閃のさやか☆マギカ。おそらく「まどかの危機」に駆け付けたであろうほむらは遠くからその一部始終を見ており、「何かの始まり」を示すであろう三日月の背景も印象的でした。それはそうと魔女狩り後に倒れる瞳の脚が美味しそうで困る。どこ見てんのよ!
「アタシ完璧!(違」と軽い調子で報告するさやかに対し、魔法少女になることの意味を思い知っているまどかは動揺を隠せない。ほむらの姿を見つけると「遅かったじゃない! 転校生!」と名前すら呼ばず敵意剥き出しのさやか、しかしほむらはそんなさやかに複雑な表情を見せます。はたしてほむらの真意はどこにあるのか?
さやかの「願い」が叶えられたカットを見るに(マミの例でも明らかでしたが)この契約は報酬先払い、つまり願いを叶えてもらった後に支払い(魔女退治)を続けるシステムなのですね。しかし支払いの最中にジェムが濁りきってしまったらどうなるのか? それ以前にこの契約に完済はあるのか? いったいいつまで魔女退治を続けなければならないのか? マミが「魔法少女の覚悟」を試したように、それら契約問題についてさやかが使われるような気がしてなりません。ううう。
「要するに、ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ? その子」
さてマミが退場したことで空いたショバを埋めに来たマジカルキョーコ(違)、キュウべえとの会話を見るとどうも平和的な人物では無さげです。「魔法少女の死」に続いて「魔法少女同士の戦い」と私的にキツイ展開が続きそうですが、悔しいことに先が気になるのだなあ。見たい気持ちと見たくない気持ちがイヌカレー時空のようにコラージュされてる今日この頃です。

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